感動を記録する

チグミスンガン、チョスンウ ssi に夢中

오페라의 유령 釜山6/13 夜・チョスンウ回観劇レポート――4月〜5月〜6月の変化と進化を添えて

6/13(火)夜、조유령 my 6回目。

 

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オユ釜山公演、最終週の幕開け。

私にとって、4月の2回(4/11、4/13)、5月の3回(5/3、5/5、5/7)を経ての、初・6月のチョユリョン。わたしの釜山オユ鑑賞も、いよいよ大詰めに。前回からどう表現が変化しているのか、どんな世界を見せてくれるのか、ものすごく楽しみだ。


早めに劇場に着いて、一通りのことを済ませて(列に並んでキャスボを撮って、チケットを引き換えて、MDを買う。今回は手荷物ロッカーを利用。とても便利)、休憩スペースで一息。自分が出るわけじゃないけど試合前のようにドキドキする。全ての段取りを終えて、あとはいざ、「観るだけ」になったこの時間。すごく幸せだ。


そして、開幕。


劇場の中で、どうしよう、どうしよう、とそわそわするも、いや、結構長い間、ウリユリョン、出てこないんだったわ、と思い返して呼吸を落ち着ける。この、舞台上にはいないのに、最初から最後までユリョンがそこに存在している感じ、良い。


以下箇条書きで。

 

 

・冒頭からボルテージが高い!

ラウルが去ったあとの、クリスティーンの楽屋。

“Bravi 〜“ で、うわぁぁぁぁ来たァァァァ、となり、すかさず一発目、恐怖の

“위선에 찬 ! 이 무례한 자 “

うわああああやべぇぇぇぇえ

この鞭打つような“ 찬 !  ”  やべえよ、きたよこれだよ。

怖さに震えながら(私ふくめ、私の席の周り全員がヒィィ…!ってなってた)、その声の音色、ボリュームの豊かさに、今日のチョスンウ、絶好調だ…!!!!とこぶしをにぎる。

感情が声に乗って、のびのびと響いていて、すごく良い。


今日は、夢にまでみたウネクリスティーン。チョユリョンとウネクリスティーンのケミ、なんとしても、もう一度見たくて旅程を増やした。

熱い。感情のやり取りが高いレベルで行われている感じ。


鏡の中に光が集まりファントムが姿を現す、視覚と共に音楽もメロディーも盛り上がって、

”네가 이곳에 〜”

むっっちゃ良い。ここのパート、大好き。

そして、ラウルが扉を叩く中、一転、重い声色と低音で

“난 너의 음악의 천사”

“가까이 나에게 오라 ”

ここの、怖さ、熱さ、艶っぽさ、最高。今日も!

暗闇の中で手に汗を握る。スンウさんの声には、なにか、特別な周波数が含まれている。絶対。生で聴くとほんとに、すごい。

 


・ゴンドラで水路をゆくシーン

"The Phantom of the Opera"

かっこいい。歌が良い。はじまりは録音だが、初期はペントム、5月はファントム、と歌っていたから、少なくとも2回は録って差し変えている。今日は今日でまた新鮮に聞こえたから、もしかしたら、もっと差し替えているのかもしれない。こういう調整、贅沢だなあと思う。

ここの、ファントムが鏡の中から登場して、ラウルの叫びと共に、暗転して、すぐに、テンションを一気にMAXまで上げて場面が展開していくところ、どうかしていて、この演目ってすごいと思う。何度見ても、引き込まれて、頭の中が(うわぁぁぁぁ)と(あぁぁぁぁ)でいっぱいになる。興奮。ただただ興奮。

ゴンドラを漕ぐ時の、オケのキメどころと、オールの動きとを合わせてくるチョユリョン。体の動き、手の動きで、この水路がどんなふうであるか、いま天井の低いところを通っただとか、その行手は広く水路が開けているだとか、観客に言葉ではなくお伝えしてくるチョユリョン。やべぇ。

ゴンドラを降りてふたりのレッスンへ。

チョユリョンがハットをとってサッと投げ、マントを取って、一度手に巻き取ってからバッと投げ、クリスティーンの歌を己の脳髄で吟味するかのように、こめかみから頭の横を辿って後ろへと、左手で、次いで右手で、自らの髪を撫で付ける。ここ!最高!!!重要無形文化財!!!

おなじ「髪を手で後ろへなでつける」振り付けでも、いっぺんに両手でやってしまわないのがチョユリョン。

そして、おろした片腕を前に出し、手のひらを上に向けて、クリスティーン、もっと、もっとだ!とその歌声を支えながら導くように、その手に力を込めてぐぐっと上方に持ち上げる。音楽に乗っておこなわれる、ここのファントムの所作の全て、その身動き、緩急、全てに魅了される。最高。クリスティーンは大変そうで、かわいそうだけど、最高。

 


・オルガンの前に座して、スーッと息を吸って アスライ… Music of the Night.

これまで、歌とセリフと動きと、ひとつひとつピースを嵌め込みながら緻密に感情を彫琢していくかのようだったアプローチが、今日は、おのずから心と体が走り、生き生きと演技が動いていっているように感じられる。歌、セリフ、動作、それぞれが噛み合い、ひとつになってそれ自体が力を持ちながら回り始めているかのような。以前の作り込みの仕方も素晴らしかったけど、今日の、駆動する熱を感じさせるパフォーマンス、素晴らしい。

 

Music of the Night、クリスティーンが倒れてしまい、その体にマントをかけた後の締めくくり、ここの歌唱の、最後の処理の仕方も、変化を続け、今日さらに進化している。

この最後の高音が十分に出ないことは、もはや要件として熟知し、俳優の手の内にあるという様子。ドンユリョンやジュテクユリョンのように、暗闇の中、歌だけで場を情感で満たし、この場面をまとめるような歌唱は、チョユリョンにはできない。必要とされる圧倒的な声量と技巧とは、やはり特訓でいきなり身につく類のものではないようだ。

だから4月には、この場面の終わりはいつも少し口惜しかったし、調子が悪かった日は尚更(私は4/12)、それが印象に残ってしまった。

しかし、それが5月には、歌声に加えて、そのあとに「ため息」を入れることで、その情感の表現によって、この場面を締めくくるように進化していた。甘く切ないチョスンウのため息が劇場を満たし、観客の心をファントムの夢によって満たし……だからこそ次の場面にも弾みがついた。

この転換、すごく素晴らしいなと、さすがだなと、5月の私は感じ入った。

そして6月。6月のチョユリョンはそこにさらに、「クリスティーン…」というセリフまでも……。もう、やばいよ。大正解だよ発明王だよ。どうしよう。ユリョンの切ない愛に満たされて、その純粋さとそれゆえの異様さまでも雄弁に伝わってきて、見ているこっちはどうしたらいいかわからなくなって、客席で身悶える。



・Stranger than You Dreamt It

クリスティーンに仮面を奪われてしまうファントム。

この場面のために下手側前方ブロックの怪人と化している私、演者が舞台の奥に動くと見切れまくる席だが、それでも、この時の、クリスティーンに向かって這っていくユリョンの様子、せつない表情がとてもいい。

チョスンウの演じるユリョンは、今の舞台上にはない時間の流れを感じさせる。彼の過去の時間、トラウマの存在が、仮面を取られたときの驚き方や、仮面が無いだけで急に弱くなってしまうところから感じられて切ない。そして、仮面を返せと激昂してクリスティーンに迫るのに、いざ彼女に近づきすぎると、自ら、スッと身をかわして逃げるのだ。どっちなんだ、近づきたいのか近づきたくないのか。ああ、せつない。

クリスティーンの前で、小さく小さく身をこごめてしまうチョユリョン。この身の縮め比率は、3ユリョンの中でトップ。こういうところにも役作りが出ている。ただ身を縮めるという振り付けではない。なぜこの人物がこう動くのか。その動きは、これまでのどういう経緯に根ざしているのか、ゆえにいまどんな感情になっているのか。その人物の来し方と今とを、ひとつひとつの動きの中で表現してくる。いつも、この、観客に背中を向けて小さく小さくなってしまうユリョンの背中がいとしくてわすれられない。


そして仮面を返してもらったら、打って変わって “참!“ じゃないよ、本当に。

馬鹿者どもが待っている時間だろうから、って、ねえ。

どっちなんだよ。強いのか弱いのか。

ここの、仮面を取られると急激に弱くなってしまう点、ヒーローものの伝統に通じるものがあって、この演目のにくいところだと思う。

 


・オペラ座の事務室。

面々へのお手紙。響き渡るユリョンの不穏な高笑い。声色とセリフ回しが今日も素晴らしくて、サラウンドシステムによるIMAXシアターばりの音響効果も相まって、客席がどんどん引き込まれていく。オペラ座の怪人の、アトラクション的な楽しさ。それを演・チョスンウで味わえるなんて、すごく幸せだなと思う。

 


・天使像で苦悶するユリョン。セリフがどんどん増えている。

最初に観た4月の中頃は、小さくクマン、クマン…と繰り返すのみだった。ユリョン、そう呟くのがもう精一杯という痛々しさで、それはそれで良い流れだった。

そして5月GWは、天使像をより大きく揺らしたり、クリスティーンとラウルの幸せそうな声を聞いてクマン絶叫したり、感情がより強く押し出されていた。

そしてそしてこの6月、クマン、チェーバルのみならず、なんかもう色々セリフ喋ってる! 「クリスティーン・ダーエ!」ってフルネーム呼んだ。

フルネームといえば、私は2幕でカルロッタが怒りの語気で「クリスティーン!ダーエ!!」とフルネームで言う(歌う)ところが大好きなんだけど、それを先にファントムさんが天使像の上でやってしまう。この感情のボルテージの高さよ。お前絶対後悔するぞ、ユリョンを拒否したことを!!! って、そんなぁ、って思うけど、もうすっかりファントムの気持ちに飲み込まれている。

今思うと、ここの天使像の場面が強烈だからこそ、最後の最後まで、「ああどうしよう、双方の立場がわかるだけに、どうしたらいいのかわからない……」という、物語内の葛藤に感情移入した状態で観続けることになるわけで、ここの、第2幕への中継点となる大事な場面を、より濃く強く演じるようになっていくのは理にかなっている。その変遷、すごいなと思った。

 

 

・ユリョンの “가라——!!!“ でシャンデリアが急降下し、客席の周りの人々と一緒に私もビビり、第1幕終わりインターミッション。

やべぇ、やべぇよ…今日もウリユリョンが最高だよ…!!!と、客席で頭を抱える。足腰立たなくなりながら、休憩へ。

 

 

・第2幕。マスカレード。

第1幕終わりから6ヶ月の時間が経過する。GWの鑑賞を終えて帰ってくるまでそのことに気づいていなかったので(パンフレットちゃんと読みなさい)、改めて、その時間経過を考えながら観ると、マスカレードに登場したファントムの怨念がいっそう怖い。ずっと隠れ家で「ドンファンの勝利」を書いていたのか、ファントムよ。ふらふらと前に進み出るクリスティーン。このふたり、6ヶ月間全然会ってなかったってこと? それでいてこのタイミングで出てくるファントムすげえな? なぜ? 何をしに??

「お前はまだ私のものだ」と、クリスティーンの胸元から、ラウルとの誓いの指輪のネックレスを千切り取るファントム。乱暴!まだ自分も彼女に関係しているつもりでいる!!!

同じシナリオで観ているはずなのに、ファントム、クリスティーン、ラウルの芝居が熱いから、物語の展開のひとつひとつに、新鮮にあたふたしてしまう。

 


・練習から逃れ出て亡き父の墓地へ赴くクリスティーン。

”Wishing You Were Somehow Here Again”、ソンウネの歌唱が素晴らしい。

ソンウネの表現も変わってきている。もともと、いい意味で少し土くさいクリスティーンが彼女の持ち味だと思っていて。パリ在住でも都会的な器用さとは遠く、人の心が分かりすぎる、分かりすぎるがゆえに応えすぎる、そんなクリスティーン。まだ若く、可憐だが、両足がしっかりと地面についている感じ。そこから生み出される、深く、多彩な感情の表現。それがウネクリスティーンの素敵なところで、その演技がすごく好きで、また観たいと切望していた。

いま6月、ウネクリスティーンはよりいっそう強さを増して、もう、娘時代を通り越して胆っ玉かあさんなのかな、ぐらい強くなっている。いいぞ。その強さが前面に出た”Wishing You Were Somehow Here Again” の歌唱。

私は、この墓地の場面の意味が長いことよく分からなくて、でも、クリスティーンが迷える子供から脱却したことを宣言する意味の歌なのだ、と理解してから、なおさら、この場面が好きになったし、今のこのウネクリスティーンの力強さがとても良い。

最後、”이제는 안녕“ と歌い上げてなお、力がみなぎり、その勢いで足が一歩二歩前に出ていくような歌唱。すごくよかった。


そんなウネクリスティーンを籠絡しに、十字架の隙間から滑り出てくるウリユリョン。

ここ、隙間から体をななめにしてチョスンウが出てくる段階から見ていたいので、双眼鏡の動きが忙しい。

”적은 네 아이 “(小さな私の子)

チョユリョンのここの歌唱、母性さえにじませていて、いつもすごくいい。今日もいい。

そうか、ファントムは、こういう気持ちでクリスティーンのことを見続けてきたのか、と思わせ、納得させられる。ファントムにとってクリスティーンは、ずっと、적은 네 아이 なんだ。

だが、クリスティーンは、(天使と네 아이 の関係ではなく、)同世代の対等な存在として自分を見てくれるラウルのもとに行きたいのだ。ファントムはその落差に気づいているのか、いないのか。そんなクリスティーンのなかに、それでもまだ残っている(そして、おそらく生涯消えることはない)小さな子供でいたいという気持ちに揺さぶりをかけるファントム。幻惑されるクリスティーン。そこへ現れて、歌でかぶせてくるラウル。

ゴナラウルのきらめきと、圧の強さがファントムを襲う! ここ、ドンユリョンだと、きらめきと圧がゴナラウルとタメを張っているゆえに(そして輝きでいったらラウルに勝っている)、火砲ならぬ「歌」砲の打ち合い、俺が俺がのぶつかり合いになるんだけど、チョユリョンは年代もひと回り上、ラウルとのはっきりとした違いが見えているので、「どうにもならない、だけど…!」という葛藤がものすごく強く醸し出される。三者の感情の絡まりあいがピークに達して、観ていて、もう勘弁してくれ、ぐらいの気持ちになる。

ここの、感情のもつれあう芝居が、今日、すごく熱くてよかった。ほんとに、まじめに、喧嘩。そこがよかった。最後、ファントムが燃やした火も熱かった。

(余談ながら、チョスンウが舞台上で火をブワッと燃やして叫ぶと、Alive リプライズ!と頭の中で声がしてしまう。再演の再演の再演の…は今はやる気がないとのことだけど、チョジキル&チョハイド、待ってます。いついつまでも。)

 


・”The Point of No Return “

ついにきた。まずは「ドンファンの勝利」の劇中、舞台上で一同が歌う、不気味かつ不穏な和音。第1幕、隠れ家でファントムが弾いていた和音がベースにあるようでいて、しかし、徹底的にねじれてしまっている和音。これが、この6ヶ月の間にファントムが蓄積した狂気と怨念とを感じさせて、怖い。


「ドンファンの勝利」が進行し、カーテンの向こうでピアンジと入れ替わり、家来役の声に応えるファントムの歌声。その声量と音色も、より深く強く、豊かになっている。今日のチョユリョン、歌がいいなぁと、またしみじみ。

黒いフードとマントをかぶってついにファントムが舞台の上に現れる。クリスティーンとの熱情の時間。押しては押され、迫っては逃げての展開。

ファントム、自らの歌唱パートを終えるあたりで、クリスティーンと顔を近づけすぎて、弾かれたように顔を背ける。驚愕とともに、そこに、異様なほどの、瞬間の恐れと怯えとをにじませるチョユリョン。そのことで、それがファントムその人であると気づくウネクリスティーン。ここは第1幕で、クリスティーンに自分から近づいたのに、近づきすぎると自ら逃げてしまうファントムの動きがうまい伏線になっている。(と思う。)

この箇所、ウネクリスティーンは初期の頃から「クリスティーンは、ここで、はっきりとファントムに気が付いたんだ」とわかるように、楔となるような演技をいれていたが、これまでは驚き恐れて下手側に逃れていく流れだったけど、今日は、驚きと共に、これ以上はないというぐらい目を見開いて、ファントムを凝視して、そこから下手側に移動して、さあ、私のパートだ、という。この流れ、歌唱の進行と並行してクリスティーンの感情が動いていく、お芝居がすごくよかった。それら一連が歌唱ともに全部自然に流れていて、チョユリョンのお芝居のみならず、ウネクリスの受けて返すケミがすばらしい。


下手側からクリスティーンが自分のパートを歌い上げ、ベンチに座るユリョンに近づいていって背後から手を伸ばし、その体を抱えて、大きく大きく揺さぶる。

チョユリョン、「ああ!」って声出すの、反則。ライセンスへの挑戦か?

そして、なんて素晴らしい「ああ!」なの。

クリスティーンの歌唱をまったく邪魔していない。これがネットで見たチョユリョンの「変な声」か、と思いつつ、変な声、納得。そりゃ「ああ!」も出るわ。そのぐらい、チョユリョンが、クリスティーンとの一連の中でわけがわからくなってしまって、自分の存在ごと翻弄されていることが伝わってきた。

いままさに新しく生まれなおしている。ユリョンは。その姿を覆う黒衣の中で。いまだかつて足を踏み入れたことのない場所に彼はいる。だから、弱々しく、混乱して、けれど恍惚として、いままさに「生きている」という時間を味わっている――そんなことを思わされながら手に汗を握って見ていた。

クリスティーンの歌唱の終わり、“후회하지 않으리“ と共に、ファントムのフードを取り去るクリスティーン。ウネクリスティーンは、そこに至るまでに、いまファントムがいかなる状況にいるかを、感じ取っている。ファントムへの眼差しがそれを表現していて、ファントムに寄せる情のようなものが去来している。けれど、歌がもうここで終わってしまうから。他にどうしようもないから、フードを取る。現れるファントム。ざわつく周囲。

ここの、身の置き所がない様子のチョユリョンのお芝居、素晴らしい。

かつてあんなに威厳に満ちていたファントムが、もう、生まれたての赤子のように寄るべない。

そして歌う”All I Ask of You” のリプライズ。

私を愛していると言ってください、ひとりにしないでください、いつでも、どこででも、永遠に、クリスティーン…

こんな赤裸々な感情のオペラを見せられてしまっては、クリスティーンだって、もうどうしようもない。だから、あの、真の顔を覆った人工皮膚のマスクごと、ファントムの仮面を取り去る。ファントムの絶叫。

クリスティーンの心の動きも、ファントムの心の動きも、まるで溢れるように伝わってくる、素晴らしい場面だった。

 


・ファイナル

왜?왜?と叫びながらクリスティーンを隠れ家に連れて行くファントム。先の場面で観ているこちらもぐちゃぐちゃにやられているから、もう、一緒に 왜…?ってなってしまう。どうすんの。なんでなの。そんな感情でいっぱい。


”이 얼굴 네 사랑의 독 “ 悲痛なファントムの主張、否定するクリスティーン。わかってくれないクリスティーンに怒りを募らせるファントム。

ふたりの喧嘩、いままさにクライマックス。

チョユリョン、ついに、舞台の上でつばきを吐き捨てる。野卑極まりないのに、ぎりぎりエレガント。そんなことってある?と思うのに、ある。一瞬の流れの中でそれをやる。汚い感情と怒りとが、この紳士の中で瞬間噴出したのだとわからせるごとく、プシッ!と稲妻のように鋭くしぶきを吐き出す。かっこいい。

チョユリョンがノっていることがわかって観ているこっちも嬉しい。ついでに Confrontation(ジキハイの)も思いだしてなお嬉しい。


ラウルがやってきて、ファントムの罠にはまる。

愛し合うふたりの、いたわりあう姿。こんなの耐えられない。

クリスティーンに、自分かラウルか、選択を迫るファントム。

クリスティーンのセリフ「ただ憎しみだけ!」ここの、チョユリョンの「受け」もまさに様々のバリエーションがあって、かつて観た(5/5)、それを言われた瞬間にガクッと首を落として深くうなだれたのが強烈に印象に残っていて(そこで私の涙腺が崩壊した)。すごく楽しみな、ここ箇所。

今日は、「ただ憎しみだけ!」その言葉を浴びて、蒼白になって、凍りついて力が抜けて、そのまま、すとん、と、オルガンの前の椅子に腰を落としてしまうユリョン。今日の、今日だけの感情の流れが伝わってきて、観客冥利に尽きる。


“날 시험하지말고,선택해 ! ”

クリスティーンが、あなたはどう生きてきたのか、この気持ちをどう伝えればいいのか、と歌う。その声を背中に聞くチョユリョン。4月はまさにこの箇所に、5月はやや手前の「偽善者だ」とクリスティーンに言われるあたりに感情のクライマックスを置いていたように思えたが(個人の感想です)、今日は、ここに至るまでにすでに、すべての感情という感情が出尽くして、それをクリスティーンとぶつけ合って、もう、クリスティーンのその気持ちも、認められないまでも知ってはいるというような、そんなユリョンだった。強い動き(4月に観たような、クリスティーンの言葉を背中で聴きながら、前を見たまましきりに首を振って否定しようとする動きや、5月に観たような、ここでもうすでにポロポロと涙を落として感極まってしまっている動き)はなく、クリスティーンに背を向けて佇立したまま、頬が涙で濡れている。やり合ったあとの、言い切ったあとの、どこか満たされた様子さえ感じられる。クリスティーンの答えはもう分かっているけれど、というような。その姿を見て、今日は初めて、ファントムは、ただクリスティーンが欲しくて得られなかったという悲痛さだけではなく、クリスティーンと、心を開いて、自分の全部をぶつけて感情をやり取りすること、その中で、幸せや、満たされるものがあったのかもしれないなと感じた。それは、クリスティーンが、ファントムを一人の人として認めていなければできないことだから。

クリスティーンのキスと抱擁。クリスティーンを自分の側からも抱きしめ返すファントム。今まではクリスティーンに抱きしめられても、自らは触れようとはしていなかったように思う。(個人の感想です。脳内補正かも)


ラウルとクリスティーンとを追い出し、悲痛な絶叫。舞台に身を投げるように悲しみ、苦しむファントム。もう、この場面、チョスンウの新たなる名場面だ。ここが見たくてみんなが通い詰めるやつだ。


機械仕掛けの猿のオルゴールをかき抱き、キスをして、たった一人の「友達」に悲しみを吐露するファントム。戻ってきてくれたクリスティーンに気づく。

ここの、ファントムの嬉しそうな様と、立ち上がったあとタキシードのベストの裾を両手でグッと下に引っ張って、身仕舞を正す様子がいじらしい。だけどクリスティーンは指輪を返してきて…

ここでのダメ押しの ”사랑해 “は、歌唱ではなく、もはやメロディーのついたセリフ。虚勢も力もない、素朴な、生まれたてのような ”사랑해 “だった。


クリスティーンが再び去ってしまい、追っ手が迫る中、玉座のような椅子に腰掛け、消えるべく、自らの上にマントを掛ける。それを途中でやめて、機械仕掛けの猿のオルゴールを撫でる。ここ、やることいっぱいあるはずなのに(なにせこれから消えなければならない)、最後まで、いろいろ詰め込んでくる。演技魂に敬拝。


ふたたび、椅子の背もたれにマントを掛け、自らを覆い隠すファントム。

メグ・ジリーがやって来て、マントを取り去ると――仮面だけが残されている。

残された仮面を掲げるメグ・ジリー。もうこの辺から客席が拍手の気配を見せ始めていて、オケによる、最後のハーモニーと共に終幕、暗転。


そこからはもう、拍手喝采だった。


私が観た中で、今日、一番歓声がすごかった。終演した瞬間に客席のボルテージがうわっと高まって、おさえていた感動と歓声を解放して、私も同じ気持ちで、すごく良い日だった。

カーテンコールも「待ってました」という感じで、舞台の上のカンパニーと、オケと、客席が一緒に息を弾ませているような。


感情の絡み合いがすごく乗っていて、この演目の、芝居の部分の良さを味わうことができて、ああ、いいお芝居を観た!という満足感でいっぱい。

インターミッションでは、第2部、どれだけボロボロに泣かされるのかと震えていたが、お芝居に興奮して泣くどころじゃなくて、カーテンコールが終わり、最後のオーケストラまで全部聴き終わって、劇場の外の道路まで出て来て、やっと、じんわりと、涙がにじんでくるような。そんな鑑賞体験だった。

 

 

・まとめ

チョユリョン、ついに、クライマックス、舞台の上でつばきを吐いたね。チョスンウと言えば、のあの霧吹きまでもう一息!(違うか)

3ヶ月経って、歌とセリフと感情とが息づいて回り始めているような、そんな熱さを感じた。

釜山公演、覚醒への第一幕だった?

恐ろしいひと…!!!(好き)

新しい演目に挑戦して、自分に無いものをわざわざ補って、最高にはなれないと分かっている闘いをして。うまくいかないこと、悔しいことも、不本意な舞台の日も、何度もあって。それでも、自らが求めたその状況の中でむっちゃ輝いてるチョスンウ俳優を目の当たりにして、感動。

挑戦者としてのチョスンウが見られるなんてファンとしてはすごく幸せで、これからも新しいことに挑戦していく姿が見たい。その気なら、ウエストエンドにだって、どこにだって観に行きたい。


釜山オユ、残りあと2公演も、思いっきりやってほしい。楽しんでください!先輩!!

오페라의 유령 歌詞対訳・Think of Me

 

오페라의 유령 "Think of Me" を訳しました

 

物語の嚆矢を切って歌われるこの曲、"Think of Me" 。

クリスティーンの才能に光を当て、ファントムによる、クリスティーン・スター誕生伝説がいよいよ開幕。

しかし。カルロッタからプリマの座を奪うべく、これまで、密かにクリスティーンに稽古をつけ、一方では、ドレスリハーサルでカルロッタが機嫌を損ね、役を放棄するようか仕掛けを仕込み……いざ、「すっかりやれますわ」(by乙部のりえ・ガラスの仮面)となったのに。

クリスティーンが舞台でこの曲を見事に歌い上げたことで、ラウルが、彼女こそあの「小さなロッテ」であると気づいてしまう。

なんたる運命のいたずら。

やることなすこと、ことごとく裏目に出てしまうファントムが、切なすぎる。


この曲 "Think of Me" 、歌詞が、ファントムを体現するナンバー “Music of the Night” と、ことごとく対称を為しておりまして。

「忘れないで、私を思い出して」と繰り返す”Think of Me”に対して、「何もかも忘れてしまいなさい、今はもう、これ以上記憶することなく」と告げる “Music of the Night” 。

 

物語の冒頭で歌われるこの ”Think of Me”は、ファントムの「裏テーマ」なのではないかと、そんな思いを抱いて観ています。

本当は、クリスティーンにずっと自分をおぼえていてもらいたい。一緒にはいられない運命だと分かっているけれど、それでも、いつだって、どこでだって、自分のことを思っていてほしい。――でも。

声に出しては決して言うことのできないファントムの思いが、この曲の中に詰まっているようで、冒頭から泣いてしまいそうになります。

この曲を、ファントムとクリスティーンが、ふたりきりで、何度も、繰り返し練習してきたことを考えると、この曲の中には、クリスティーンだけではなくファントムその人の姿もまた棲んでいるのではないか。

あるいは、この曲と詞の世界を解釈し、稽古をつけるという行為のなかで、ファントムの心の中のクリスティーンへの思いが溶かし出され、自分自身でも気がつかないうちに、クリスティーンへの思いが切実なものになっていったのかもしれない。


物語のはじまりで、クリスティーンが高らかに歌い上げるこの曲には、ファントムの、ひそやかな、けれど切実な思いが、詰まっているようで。

自分が、世を偲び、闇に姿を隠して生きざるをえないがゆえに、そしてその自分自身に誇りを持ってもいるがゆえに、忘れろ、立ち去れ、記憶するな――ことごとく、そういった言葉でしか自分を表現することができない。けれど、その心の奥底には、 ”Think of Me” の思いが詰まっている。

物語のはじまりでこの曲が歌われることで、ファントムのその思いが、ひそやかな和音のように、物語を通して鳴り続けている。


そんなことを思ってやみません。

 

 

 

4. Think of Me(歌詞と対訳)

(※歌詞は2009 Korean cast OSTから。2023公演では歌詞が変わっている場合があります)


CHRISTINE:

생각해, 생각해줘요 이별이 와도.

꼭 약속애, 약속해줘요, 기억 한다고

어느 날 그 어느 날 그대, 그대가 멀리 떠나도.

가끔 한 순간, 잠시만 생각해줘요.


다 알아요, 알고는 있어요,

함께할 수 없는 운명.

어디에서든 잠시 날 생각 해줘요.

 

그 날 싱그럽던 여름날.

그 날만을 꿈 꿔요.

그대여.


생각해, 생각해 봐요. 말없던 나를.

그려봐요. 애써 잊으려 힘들던 나를.

말해요, 날 기억한다고 그 어떤 손간이 의도.

결코 그대를, 그대를 잊지 않아요.


思い出して 思い出してください 別れが来ても

きっと約束して 約束してください おぼえていると

いつの日か いつの日か あなたが遠く離れても

時折 ほんのひととき 少しだけ思い出して

すべて知っています わかっています

一緒にはいられない運命

どこにいても 少しだけ 私を思い出して


その日 すがすがしい夏の日

その日だけを夢に見ます

あなたを

 

思い出して 思い出してみてください

言葉少なかった私を

懐かしんでみてください

懸命に忘れようと努めていた私を

言ってください 私をおぼえていると

どんな瞬間が訪れても

けっしてあなたを あなたを 忘れません

 


RAOUL:

분명해, 그녀는 크리스틴! 브라바!

오래 전 너무도 오래 전. 어리고 순진했던 너.

너는 기억 못 해도 난 너를 기억해


確かに、彼女はクリスティーン! ブラヴォー!

ずっと昔 あまりにもずっと昔

幼く純真だった君

君が忘れていても、私は君を覚えている

 


CHRISTINE:

여름은 꽃처럼 시들고 우리 사랑 변한대도

가끔 한 순간 생각 해 주세요.

아~ 아~ 아~ 나를

 

夏が花のようにしおれ

私たちの愛が変わっても

時折 ほんのひととき 思い出してください

ああ 私を

 

 

***

 


Think of Meの単語集


・생각하다 考える、思う

・〜해 줘요 〜してください

・이별 別離、別れ


・꼭 きっと

・약속(허다) 約束する

・기억 (하다) 記憶(する)

 

・어느 どの、あの

・날 日

・어느 날 ある日

・그대 あなた

・멀리 はるかに遠く

・떠나다 離れる


・가끔 時々

・순간 瞬間

・잠시 しばらくの間、しばし

・〜만 〜だけ


・다 みんな、すべて

・알다 知る、わかる

・함께 一緒に

・〜ㄹ 수 없다 〜することができない

・운명 運命


・어디에서 どこでも

・날=나를 わたしを


・싱그럽다 すがすがしい、新鮮な香りがする

・여름 夏

・꿈 夢

・꾸다 夢をみる


・動詞+보다 〜してみる

・말(이) 없다 口数が少ない、口が重い

・그리다 しのぶ、なつかしく思う

・애쓰다 非常に尽力する

・잊다 忘れる、思い出さない

・動詞+(으)려 〜しようと

・잊으려 忘れようと

・힘들다 力がいる、苦労する

・말하다 話す、述べる

・어떤〜 どのような〜

・결코+否定 決して〜ない

・動詞+지 않다 〜しない


・분명하다 はっきりしている、明らかだ

・그녀 彼女

・오래 長らく

・오래전 ずっと以前

・너무 あまりに

・어리다 幼い、小さい

・순진(하다) 純粋(だ)


・꽃 花

・〜처럼 〜のように

・시들다 しぼむ、しおれる

・우리 私たち

・사랑 愛

・변하다 変わる、変化する

오페라의 유령 歌詞対訳・The Point of No Return

 

오페라의 유령 “The Point of No Return”を訳しました

 

The Point of No Return、略して포노리

조유령のこの演技を観た者は、いまだかつてない衝撃に打たれ、みな、オユに通い続ける亡霊に化すという…


この場面、マントとフードに覆われた조유령の姿を、この目で全部見たくてたまりません。一目でも見られたら、どんなにいいか。そう渇望させられるぐらい、黒衣の下でグネグネと動く조유령の演技が、本当に、すごい。ファンなのに、若干ウッとなるほどの、あの、葛藤、苦悶、そして恍惚。目の前には黒衣しか見えていないのに伝わってくる。まさに、感情のスペクタクル。

 

そんな、“The Point of No Return” 。

仮面舞踏会に乱入してきたファントムが、誰も頼んでないのに書き下ろしてきた新しいオペラ。

ファントムが 난 쓴 세 오페라(ヒアリング適当)と言った瞬間、一同の、「要らねェーーーーー」という心の叫びが聞こえるようです(ファントム、そういうとこだぞ)。

 

第一幕、ウエディングドレスを見て気絶したクリスティーンを(ファントムさんよ…)、湖の地下の隠れ家で介抱していたとき、熱心に書いていたのもこの作品の譜面なのか、どうなのか。

主役にクリスティーンを指定していることからも、彼女のために作られたのであろうオペラ「ドンファンの勝利」、そしてこの曲。

 

“The Point of No Return” を訳してみて…歌詞が、思った以上に大人向けで、驚きました。

この詞をどんな思いで書いていたのか、ファントムよ。

これをクリスティーンへの当て書きで作詞作曲して、編曲して、おそらくは演出もつけて、あまつさえ、クリスティーン本人と共に、その相手役として、舞台の上で共演もしてしまうファントム。

これは……劇中の、あの苦悶と葛藤の有り様にもなるわな、と思いました。


ファントムよ…、とツッコミを入れたくもなるものの、どこかで、すごく、納得させられる。

こうしたかったんだね、こうするしかなかったんだね、という。クリスティーンと、「同じ」世界の中で、生きて、呼吸がしてみたかったんだね、そのためにはこの方法しかなかったんだね、ファントム… という。


この場面、オユという、あらすじはシンプルでも観る人の数だけ感想が生まれてくるようなこの作品の中でも、とくに面白く、劇中劇の魅力も存分に感じられる場面だと思います。


ファントムが絶対的に得意とする音楽の領域の中で、精神と想像の世界の中で思い描いていた「クリスティーン」。その像が、舞台の上で、現実の彼女が演じることによって、受肉する瞬間。

その彼女に出会いたいと願い、しかし、現実の、本当の「彼女」に、舞台の上で、ついに追いつかれるファントム。ファントムの夥しい震えと苦悶からは、その衝撃を感じさせられる。


조유령のこの場面ではいつも、ああ、ファントムが「喰われる」と思う。そのぐらいに、あれほど雄大で威厳溢れていたファントムという存在が崩れ、怯え、崩壊していく瞬間。いままさに、新たに生まれ直したかのように。

フードを取り去られ、舞台の上で二重のマスクさえ剥がされてしまうファントムの叫びは、その悲痛な産声のようだ。


すごくつらいけれど、何度でも観たい。私にとって、そんな名場面です。

 

 

14. The Point of No Return(歌詞と対訳)

(※歌詞は2009 Korean cast OSTから。2023公演では歌詞が変わっている場合があります)


PHANTOM:

난 이곳에 숨은 욕망에 이끌려,

가슴 깊은 곳 감춰은 은밀한 외침. 외침.

난 널 여기, 타는 열정을 위하여,

내게 열려진 그댈 받으리니.

이제 내 품에,그대를 받으리니,

내 곁에 있을 너, 후회 않을 너의 선택, 이 선택.


돌아 킬 순 없으리, 이제 더 이상 날 떠나갈 순 없게 할리라.

돌아 갈 수 없으리, 이젠 누구도 그 꿈을 깎지 않게 하리라.

내 영혼 태워 줄 불꽃. 내 열정 채워 줄 숨결.

내 삶, 날 매혹시켜 줄 너.

돌이킬 순 없으리,

마지막 선택. 내 운명 이젠 결정 될 순간.

나 후회하지 않으리.


私はここで 秘めた欲望へ導かれ 

胸の奥に深く秘めた叫び、叫び

私はあなたをここで 燃える熱情のために 

私へと開かれたあなたを受け入れるから

今私の胸で あなたを受け入れるから

私のそばにいるあなた 後悔のないあなたの選択 この選択


後戻りするわけにはいかない 今はもうこれ以上 私を去らせることはできない

もう戻れない 今は誰もこの夢をくじくことはできない

私の魂を燃やす火花 私の熱情を満たす呼吸

私の生 私を魅惑するあなた

取り返しがつかないはずはない

最後の選択 私の運命 いま決定される瞬間

私に後悔はない

 

CHRISTINE:

그대 나를 저항 못 할 그 힘으로,

어둠 깊은 곳 사라지는 나의 외침, 외침.

난 이 곳에 낮선 상상에 이끌려 서로 탐하는 숨결.

뒤엉켜진 육체의 환영.

내 곁에, 내 품에, 내 안에 있을 그대.

후희는 않을 이 선택, 이 선택.


돌아 킬 순 없으리. 이제 시작 된, 우리 하나 될 열정의 시간.

돌아 갈 순 없으리. 마지막 순간. 내 타는 욕망 바칠 이 순간.

내 심장 뛰게 할 손길, 내 몸을 깨워 줄 향기, 내 마음 다 바칠 그대여.

 


あなたが私を 抗えないその力で

暗く深い場所で 消えていく私の叫び、叫び

私はこの場所で 見知らぬ空想に導かれ 互いにむさぼる呼吸

もつれていく肉体の幻

私のそばに 私の胸に 私の中にいるあなた

後悔のないこの選択 この選択

 

後戻りするわけにはいかない いま始まった 私たちが一つになる熱情の時間

もう戻れない 最後の瞬間 私の燃える欲望をささげる瞬間

私の心臓を駆けさせる手 私の体を目覚めさせる香り 私の心をすべて捧げるあなたよ

 

BOTH:

돌이 킬 수 없으리, 마지막 순간.

더 이상 기억 하지 않으리.

되돌아 갈 순 없으리.


取り返しがつかないはずはない 最後の瞬間 

これ以上記憶することはない

後戻りするわけにはいかない

 

 

 

PHANTOM:

사랑한다 내게 말해줘요. 나를 홀로 두진 말아요.

원한다고 내게 말해줘요.

언제나 어디든 영원히 크리스틴.

바램은 그것..


愛していると私に言ってください 私を一人にしておかないでください

求めていると私に言ってください

いつでも どこであろうとも 永遠に クリスティーン

望みはそのことだけ

 

 

*****

The Point of No Return の単語集


숨다 隠れる、潜む

욕망 欲望

이끌리다 引かれる、導かれる

가슴 胸

깊다 深い

감추다 隠す

은밀라다 隠密だ

외침 叫び


타다 燃える

열정 熱情

〜위하다 〜のために

열려지다 開かれる

〜(으)리니 〜だろうから(理由)

품 ふところ、胸

〜곁에 〜のそばに

후회 後悔

선택 選択


〜ㄹ 순 없다 〜するわけにはいかない

〜(으)리  〜であろうか(反語)/〜だろう、しよう(意図)

돌아가다 帰る、戻る

떠나가다 立ち去る

〜리라 〜だろう

깎다 折る、曲げる、〜をやめる

영혼 霊魂

태우다 燃やす、焼く

불꽃 火花

열정 熱情

채우다 満たす

숨결 息づかい

삶 生

매혹 魅惑

〜시키다 〜するようにさせる

마지막 最後

운명 運命

결정(되다) 決定(される)

순간 瞬間


저항 抵抗

힘 力


어둠 暗闇

사라지다 消える

낮설다 顔を見慣れない

상상 想像、空想

서로 互いに

탐하다 むさぼる

뒤엉키다 もつれる

육체 肉体

환영 幻影

바치다 なげうつ、ささげる

심장 心臓

뛰다 飛ぶ、跳ねる、走る

손길 (さしのべる)手

깨우다 さます、おこす

향기 香り

 

되돌아가다 来た道をもどっていく

홀로 ひとりで

오페라의 유령 歌詞対訳・Prima Donna

오페라의 유령 “Prima Donna”を訳しました。

1幕終盤で歌われるナンバー、“Prima Donna”。

(演目の中での位置はこちら→The Phantom of the Opera 構成&曲目リスト - 感動を記録する

ハンニバルの公演後、クリスティーンが忽然と消えてしまい、さらにファントムから次々にお手紙が届いて(ファントム、そういうとこだぞ)、オペラ座は大混乱。

支配人室に続々と関係者が飛び込んできて、その狂騒のなかで歌われるこの曲。

この曲のメロディラインが大好きで、毎回、夢心地を味わっています。

総勢7名で歌われるこの曲ですが、どのキャストも歌唱が素晴らしく、ときどき、涙が出てくることも。

“Prima Donna”で泣く? と自分でも驚くけど、泣いちゃう。

そんな、大好きな“Prima Donna”、一方で、各キャストの歌唱が重なる部分では歌詞が聞き取れなくなってしまうのですが(語学力!)、訳してみて、改めて面白いなと思いました。この人、こんなこと言ってたんかい、という。

 

・アンドレ&フィルメン

→憎めない支配人ズかと思いきや、そこは業界人。チャーミングな笑わせ役でありつつも、けっこう生臭いことを言っています。

 

・カルロッタ

→プリマドンナの座を譲れと、ファントムに迫られているカルロッタ。この人、ほんと、何も悪くないと思うんですが…(ファントム、そういうとこだぞ)。

「お手紙」で自信を喪失するも、アンドレ、フィルメン、ピアンジに乗せられ、プリマのプライドが返り咲く。まさに女王、の歌唱が圧巻です。歌詞の内容は真摯。

 

・ピアンジ

→カルロッタに寄り添いつつ、支配人たち、そして、時にラウルとも息を合わせるピアンジ。あっちへ、こっちへ、とフッ軽で、歌詞でも、自分の主張はとくにない。日和見系でありながら、とにかく明るいので、憎めない。ピアンジ、本当に、のちのちあんなことになるなんて、気の毒で…。ファントムのとばっちりランキング第1位を進呈したいです。

 

・ラウル、メグ、マダム・ジリー

→クリスティーンの身を案じつつ、ファントムの正体に思い巡らせるラウルとメグ・ジリー。この段階で既に、ラウルは、ファントムに一矢報いようと、密かに闘志を燃やしているのが印象的。

マダム・ジリーは「ファントムに逆らってはいけない」と警告し、全体を引き締めると共に、不穏な空気を醸し出すのに一役買っています。

 

・そして、ファントム

クライマックス、”다시 한 번 “ に重なるファントムのセリフ、「いいだろう、戦争の始まりだ!」

熱い。オペラ座の怪人、こういうベタな熱さがたまらない。

(ここの、“좋아 ! “からの 조유령 の台詞回しが好きすぎて、毎回、声は出せないけど、フォワーーーー!!!!! ってなります)

 

 

それぞれの思惑が交錯する“Prima Donna” 。

クセになる濃さと面白さです。

 

8. Prima Donna (歌詞・対訳)

(※歌詞は2009 Korean cast OSTから。2023公演では歌詞が変わっている場合があります)

 

ANDRÉ,FIRMIN(アンドレ,フィルメン):

프리마돈나 무대 위의 여왕, 

당신에게 무릎 끓고 간청해요.

(プリマドンナ 舞台の上の女王

あなたにひざまずき請願します)

 

ANDRÉ:

팬들의 환호를 잊었나요

(ファンたちの歓呼をお忘れですか?)

 

FIRMIN:

당신에 대한 열정을

(あなたへの多大な熱情を)

 

ANDRÉ,FIRMIN:

프리마돈나 아름다운 여왕

(プリマドンナ 美しき女王)

 

ANDRÉ:

음악의 신 (音楽の神)

 

FIRMIN:

매표소에 늘어선 관객들

(券売所へ列をなす観客たち)

 

ANDRÉ,FIRMIN :

이들을 외면 할 수 있나요

(かれらに背を向けることができますか?)

 

ANDRÉ,FIRMIN,PIANGI(ピアンジ):

노래를 다시 한번. 

(歌をもう一度)

 

 

RAOUL(ラウル):

크리스틴이 말한 그 천사

(クリスティーンが言った音楽の天使)

 

CARLOTTA(カルロッタ):

프리마돈나, 다시 살아나리.

어쨌거나 관객은 나를 원해요

열렬한 환성을 생각해요

(プリマドンナ 再びよみがえらん

いずれにせよ観客は私を求めています

熱烈な歓声を思い出します)

 

ANDRÉ,FIRMIN,PIANGI:

관객을 위에

당신 목소린 어여쁜 천사 같이.

(観客たちの上に

あなたの声は麗しき天使の如く)

 

GIRY(マダム・ジリー):

그녀는 듣—죠

음악의 천사의 소리

(あの子は聞いたーーのでしょう

音楽の天使の声を)

 

RAOUL:

음악의 천사는 누구?

(音楽の天使は誰?)

 

ANDRÉ:

공연은 됐어

(公演は上々)

 

FIRMIN:

제대로 됐어

(まさに上々)

 

ANDRÉ,FIRMIN:

여배우가 골치야

(女優がお悩みだよ)

 

CARLOTTA:

나를 따라오는 스폿 라이트

(私を追うスポットライト)

 

PIANGI:

그녀를 빛 나게 하는 스폿 라이트

(彼女を輝かせるスポットライト)

 

MEG(メグ):

이 유령은 미치광이 일까 ?

(あの幽霊は頭のおかしい奴?)

 

RAOUL:

미치광이 일까 ?

(頭のおかしい奴なのか?)

 

CARLOTTA:

프리마돈나 그댄 영원 하리,

노래하리 끝없는 갈채 속에서

(プリマドンナ 其は永遠なれ

歌わん 終わりなき喝采の中で)

 

PIANGI:

그녀를 노래하리

끝없는 박수는 영원하리

(彼女は歌う

終わりなき拍手は永遠に)

 

MEG:

아니면 천사 일까

그녀의 운명 어찌될까 ?

(あるいは天使?

あの子の運命はどうなる?)

 

GIRY:

그를 거역한다면 명심해요

엄청난 저주를

(要求を拒むというならば肝に銘じよ

とてつもない呪いを)

 

ANDRÉ,FIRMIN:

눈물,맹세. 정신 나간 요구 

흔히 있는 일이지

(涙、誓い 気が遠くなる要求

大いによくあることだろうか)

 

RAOUL:

명령,경고 정신 나갔어

(命令、警告 気が遠くなる)

 

CARLOTTA:

프리마돈나 얼마나 빛날까요.

노랠 다시 한번

(プリマドンナ どれほど輝くだろうか

歌をもう一度)

 

PIANGI:

생각 잘 해봐

요구들을 거부할게 아냐

(よく考えてごらん

要求を拒むことはできるか)

 

 

ANDRÉ,FIRMIN:

이 보다 더 나쁜 일 있겠지

(これより悪いことがあるだろうか)

 

RAOUL:

그녀를 위해 요구들을 거부하겠어

(彼女のために要求を拒まなければ)

 

MEG:

벌을 줄거야 요구들을 거부하게 되면

(罰が下るはず 要求を拒否したなら)

 

GIRY:

그 경고를 잊어선 안돼요.

요구들을 거부하기 전에

(その警告を忘れてはいけない

要求を拒む前に)

 

ANDRÉ,FIRMIN:

어떻게 믿겠어, 디바가 된 코러스 걸. 

또 후원자랑 자고 왔대잖아 ? 

(どうして信じられよう、

ディーバになったコーラスガール

後援者と寝てきたんだとか?)

 

 

PIANGI:

신의를 지켜야 해

(神意を守らねば)

 

RAOUL,MEG,GIRY:

크리스틴을 지켜야 해

(クリスティーンを守らねば)

 

CARLOTTA:

이제 와서야 아첨하고 야단이야

(今さら来てお世辞で大騒ぎ)

 

ANDRE+FIRMIN:

라울과 사랑의 듀엣을 부르고, 

부인 하겠지만 틀림 없을 거야.

이게 연극이면 말도 안 되지만 

외국어로 질러대는 소리.

관객들이 환장하는 얘기. 

너무 완벽해! 이것이 오페라!

(ラウルと愛のデュエットを歌って

否定しても間違いないだろう

これが演劇ならとんでもないが

外国語で叫びたてる声

観客らが大興奮のお話

大いに完璧、これぞオペラ!)

 

RAOUL,PIANGI:

천산 끝났어

(天使はおしまいだ)

 

GIRY:

당신들 절대 이길 수 없이

(あなたたちは決して勝てない)

 

RAOUL:

두고 봐. 5번 박스 에서

(見ていろ、5番ボックスで)

 

MEG,GIRY:

그가 저주를 내린다면

(その者が呪いを下すだろう)

 

CARLOTTA, PIANGI:

극심한 스트레스 명성 높은 프리마돈나.

기침, 감기 재채기 두렵기는 해도 

최고 음을 찾아 불러대면 그게 바로 좋은 오페라

(極限のストレス 名声高きプリマドンナ

咳、かぜ、くしゃみ 心配だけど

最高の音をとらえて歌えば

それがまさに最高のオペラ)

 

ANDRÉ,FIRMIN:

프리마돈나 세상은 그대 발 아래 있어.

그 성은을 베푸소서.

(プリマドンナ 世界はあなたの足下に

その聖恩を与えたまえ)

 

RAOUL;

시동은 크리스틴이, 칼롯타가 백작부인 

(小姓の役はクリスティーン、カルロッタは伯爵夫人)

 

MEG:

결과가 두려워

다시 또 한번

(結果が怖い

再び もう一度)

 

GIRY:

결과가 두려워

어찌 감히

(結果が怖い 

なぜ敢えてそれを)

 

CARLOTTA,PIANGI,ANDRÉ,FIRMIN,RAOUL,MEG,GIRY:

무대에 불 밝혀 노래 하리, 노래를 다시 한번

(舞台に火を灯す歌を、歌をもう一度)

 

PHANTOM: (Spoken)

좋아! 전쟁의 시작이다. 

내 요구를 받아들이지 않는다면 너희에게 거대한 재앙이 닥칠 것이다!

(いいだろう!戦争の始まりだ

わが要求を受け入れないと言うならば、

お前たちに巨大な災いが迫るだろう!)

 

 

CARLOTTA,PIANGI,ANDRÉ,FIRMIN,RAOUL,MEG,GIRY:

다시 한번!

(もう一度!)

 

 

Prima Donnaの単語集

 

・무대 舞台

・여왕 女王

・당신 あなたに

・〜에게 〜へ

・무릎 膝

・무릎을 끓다 膝をつく

・간청하다 懇請する


・환호 歓呼

・잊다 忘れる、思い出さない

(類 잊어버리다 すっかり忘れてしまう)

・대하다 向かい合う、対する

・〜대한 〜に対する

・열정 熱情


・아름답다 美しい

・음악 音楽

・신 神

・매표소(売券所) 券売所

・ 늘어서다 並ぶ

・관객 観客

・〜들 〜たち

・외면하다 顔を背ける、無視する

・노래 歌

・다시 한번 もう一度


・말하다 言う、話す

・천사 天使


・살아나다 生き返る

・어째=어쩌서=どうして〜

・〜거나 〜であろうと

・열렬하다 熱烈だ

・환성 歓声

・생각하다 思う、考える


・어여쁘다 美しい(예쁘다の古風な言い方)


・여배우 女優

・골치 頭(머릿골 頭、脳髄 の俗語)


・따라오다 追いかける

・스폿 라이트 スポットライト

・빛나다 光る、きらめく


・미치광이 狂人、物狂い


・갈채 喝采

・박수 拍手


・운명 運命

・어찌 どうして、どうやって


・거역하다 拒絶する

・명심하다 肝に銘じる

・엄청나다 とてつもない、おびただしい

・저주(詛呪) 呪い、呪詛


・맹세(盟誓) 誓い


・정신 精神

・정신이 나가다 気が抜ける

・요구 要求

・흔하다 ありふれている、珍しくない

・흔히 よく、しばしば


・명령 命令

・경고 警告


・거부하다 拒否する


・벌 罰

・벌주다 罰する、罰を与える


・믿다 信じる

・디바가 ディーバ

・〜이/가 되다 〜になる

・코러스 걸 コーラスガール

・후원자 後援者


・신의 神意

・〜을/를 지키다 〜を守る


・야단(惹端) やかましく騒ぐこと


・듀엣 デュエット

・틀림없다 間違いない


・연극演劇

・지르다 叫ぶ、声を張り上げる


・환장하다(換腸-) 気がおかしくなる

・얘기=이야기 話

・완벽하다 完璧だ


・끝나다 終わる


・절대 絶対に

・이기다 勝つ

・두고 보다 (두고 보자 の形で)おぼえてろ、おぼえておけ


・〜을/를 내리다 〜を下ろす


・극심하다 はなはだしい、ひどい

・스트레스 ストレス

・명성 名声

・기침 せき

・감기 風邪

・재채기 くしゃみ


・최고 最高

・음 音

・바로 まさに


・성은 聖恩

・베풀다 施す


・시동 侍童、小姓

・백작 伯爵

・부인 夫人


・결과 結果

・감히=감연히 大胆にも/敢えて

・감연하다(敢然-) 勇敢だ、果敢だ


・불 火/灯火、灯り

 

・전쟁 戦争

・너희 お前たち(対等または目下の人を指す語)

・거대하다(巨大-) 巨大だ

・재앙 災い

・닥치다 迫る

The Phantom of the Opera  構成&曲目リスト

 

歌詞対訳の目次として、曲目リストのページを作りました

内容は2023 BUSANプログラムブックから。
(括弧内は2009 Korean cast OST内の曲順)

The Phantom of the Opera 構成&曲目リスト

□ overture

□ Act 1 : Paris 1881

Scene 1 : The dress rehearsal of “Hannibal”
・Think of me  (04)

Scene 2 : After the gala
・Angel of music

Scene 3 : Christine’s dressing room
・Little Lotte
・The mirror
・Angel of music (05)

Scene 4 : The labyrinth underground
・The phantom of the Opera (06)

Scene 5 : Beyond the lake
・The music of the night (07)

Scene 6 : Beyond the lake, The next morning
・I remember
・Stranger than you dreamt it

Scene 7 : Backstage
・Magical lasso

Scene 8 : The managers’ office
・Notes
・Prima Donna (08)

Scene 9 : A performance of “Il Muto”
・Poor fool, He makes me laugh

Scene 10 : The roof of the Opera house
・Why have you brought me here?
・Raoul, I’ve been there
・All I ask of you (09)
・All I ask of you —reprise

□ intermission

□ Act 2 : Six months later
Scene 1 : The staircase of the Opera House, New year’s eve
・Masquerade (11)
・Why so silent

Scene 2 : Backstage

Scene 3 : The manager’s office
・Notes
・Twisted every way

Scene 4 : A rehearsal for “Don Juan Triumphant”

Scene 5 : A graveyard in Perros
・Wishing you somehow here again (13)
・Wandering child
・Bravo,Bravo

Scene 6 : The Opera house before the premiere

Scene 7 : “Don Juan Triumphant”
・The point of no return (14)

Scene 8 : The labyrinth underground
・Down once more
・Track down this murder

Scene 9 : Beyond the lake (15 Final)

 

OSTだけでは全体の構成を網羅できないことと、短めの曲で結構大切な情報が歌われていることが多いので、なかなか、細かい部分の把握が難しいなと思いました。

とくに、韓国版OSTに収録されていた曲は予習できるのですが、収録されていない短めのナンバーや、セリフでの掛け合いは、なかなか聞き取れない。

My初回を見た後、「やべえ、この程度の予習じゃ、全然わかんねえ」と青くなり。

そんな時に助けてくれたのがこちら、劇団四季盤のOST。

 

Amazon.co.jp: The Phantom Of The Opera (Gekidi Shiki Long-Run Cast Version) : アンドリュー・ロイド・ウェバー & 劇団四季ロングラン10周年記念キャスト: デジタルミュージック

 

検索で偶然ヒットしたのですが、なんと、セリフまで収録されており、「そうか、この場面ではこういうことを話しているのか」という理解を深めるのに大変お世話になりました。感謝…!!

韓国語のセリフが全然わからないよう…という方に、非常におすすめです。

오패라의 유령 2023.5.3夜 チョスンウ回 観劇レポート

 

f:id:mollyzw:20230504084814j:image

 

2023/5/3(水)夜。

조유령観劇3回目。

下手側端っこ前方ブロックでの鑑賞。他の席では見たことのない角度の表情が見えて興奮した。すごくよかった。

 


ファントムの感情表現がやはり素晴らしかった。

痛々しく、いじらしく、はたからみたら無様なんだろうけれども、すごく大切な、美しいものに見える。かっこ悪さが逆にかっこいい、というのともちがう、惨めさのなかにも味わいがある、といった感覚とも違う。

ファントムの姿を、ああ、なんて、なんていうことだ、どうしよう、と思いながら、心を締めつけられながら見てしまう。

客観的にも世の中的にもどれだけ惨めで無様なことか分からない、それでも今これを目の当たりにしている私にとってはものすごく共感できて、ものすごく尊い美しいものだと思える。ファントムが受け入れられないことがすごくよくわかるから、その純粋さ、とまどい、怒り、絶望、悲しみ、さまざまの感情がどうにもならないことがよくわかるから、その、どうしようもないんだという状況を前にして泣いてしまう。

なんて健気なファントム。本当にかわいそうだ。

 


ファントムがいま目の前で繰り広げているこの状況、その気持ちに私は心当たりがある。(私に限らず他の人もきっとどこかで。)

人と人とのことに限らずとも、夢や、仕事や、何か無謀なものに心を注ぎ込むこと、自分が自分のままでいられなくなるぐらい何かに心を傾けて、そしてそれが自らの望む結果にならず夢破れたこと。ファントムの姿はその痛みそのもので、だからこそ心を震わされて泣いてしまう。

しょうがない、しょうがなかったんだ、一所懸命やったけれどもだめだった、しかたがなかったんだという、その痛み。そして、ファントムが体現する生々しい絶望の姿を通して、観るものは、その喪失や敗北がけっして「無」ではないこと、得られなかったけれども「無」ではないこと、たったひとつの大切な何かであったことを知る。そしてさらに、己にとっての喪失もまた、そうしたものだったということを知る。

無ではなかったと。痛みでしかないかもしれないけれども無ではなかった、生そのものだったと。

 


救いようのない悲しいシナリオでも、この作品を観た後に、涙を流してぐったりとした疲れの中から新しい息が蘇ってくるような、不思議な爽快感があるのは、観るものにこうした心の旅をさせてくれるからだと思う。

そしてチョスンウによるファントムの解釈、その精細な心理表現、ファントムという「人間」の表現の積み上げが、なおさら、その旅を豊かで唯一のものにさせる。チョスンウならではのファントムが、最後の場面の情念の爆発するところまで、綿密に、大胆に、一気呵成に観るものを心の旅に連れていく。

とても素晴らしかった。

得難い経験だった。

 


素晴らしいものを観た、今日もまた生きていてよかったという気持ち。そして、今日がそうだということは、明日からもまた私は自分自身を生きていけるのだ、生きていくのだという気持ち。その思いを胸に溢れさせてくれてありがとう。

心から感謝します。

 


スンウさんのファントム、素晴らしかった。

今日はまさに、出し切った、という感じがしたし、にも関わらず、カーテンコールでユーモアを見せてくれて、それがとても嬉しかった。

また舞台と客席の間で会える嬉しさ。この先の公演も、ずっと、とても、楽しみにしています。

오페라의 유령 歌詞対訳・The Music of the Night

The Music of the Night について思うこと

 

ファントムのテーマとして、"The Phantom of the Opera"と並ぶナンバーであるこの曲。

 

昼の世界、この世の「おもて側」の世界に対して、その裏側にあるもう一つの世界。闇の世界、夜の世界、決して世の中の「おもて側」に受け入れられることのないファントムの世界が雄弁に繰り広げられる印象的なナンバーです。

決して思い出すな、忘れろ、記憶してはならない――この曲で、繰り返しファントムが歌う言葉たち。

彼の思いであり、クリスティーン(&ラウル)の think of me の世界と対照をなす、いわばファントムの表のテーマといえると思います。

 

"think of me" と"music of the night"

 

では裏のテーマは……というと、私の解釈になってしまいますが、最後の最後、ファントムがやっとクリスティーンに対して告げた言葉が、think of me の中の一節「私を愛していると言って、私をひとりにしないで」だったことを考えると、think of me は実は、ファントムの本心の中の本心。ファントムの本当の心情を歌った裏テーマなのでは?? と思っています。

"the music of the night "も、"think of me"も、両方、ファントムの本心。

いわば "the music of the night " は、強いファントム。威厳に溢れ、夜の闇の底の、自らが築き上げた世界の中でなら、音楽を介してクリスティーンと相対していれば、彼は悠々とその翼を広げることができる。

でも。ファントムの心の内側には、もしかして自らも認めることをしたくなかった、感じてはいても受容することが難しかった(なぜなら、受け入れると自分が壊れてしまうから)、"think of me"が流れていた。

心の奥底の、本当の本当の言葉はずっと言えなかった。最後の最後、あれほど、追い詰められるまでは。

 

――そんなことを思いながら聴くと、この2つの曲は、とてもせつなく印象深く響いてきます。

そして、こんなに入り組んだところまで、観る者の思考と心情をいざなってくる조유령 ことチョスンウ先輩の演技力よ……!!!!! 

 

 

(歌詞)The Music of the Night

(※歌詞は2009 Korean cast OSTから。2023公演では歌詞が変わっている場合があります)


PHANTOM:

아스라이 밤이 눈을 뜨면.

어둠 속에 깨어나는 환영.

사라져간 긴장. 다가온 이 은밀함.

부드럽게 펼친 밤의 날개.

잡힐 듯이 가녀린 이 떨림.

이젠 잊어봐, 낮의 현란한 빛을.

이젠 더 이상은 기억하지마

자,이젠 느껴 밤의 노래를

눈을 감고 어둠 속 꿈에 빠지면 잊으리.

지난 모든 기억들.

눈을 감고 영혼을 날게 해.

새로운 세상 갖게 될 테니.

 


달콤하게 감싸주는 음악.

들릴 듯이 유혹하는 노래.

마음 열고서, 지금 환상을 위해 결코 거역 못할 너를 느껴봐.

이 어둠의 빚,밤의 노래여

 


원하던 모든 꿈을 갖게 되리라.

새로운 세상 또 다른 삷을.

네 영혼 나를 원한 이 순간 —

마침내 내 것이 될 순간.

 


나를,너를 애무하는 향기.

만져 질듯 몽롱한 이 쾌감.

꿈에 취한 듯 꿈의 어둠 속에서.

나의 위대한 음악을 경배해.

이 위대한 힘, 밤의 노래여.

내 노래를 날게 해주오,

그대 위한 밤의 노래여.

 

 

・・・

 

 

 

(対訳)The Music of the Night

 

 

 

PHANTOM:

はるか遠く夜が目を開ければ

闇の中 目覚める幻影

消えゆくこわばり 訪れる密やかさ

やさしく広がる夜の翼

捕らわれたかのような か弱い震え

今は忘れてごらん、昼間の絢爛な光を

もはや記憶することなく

 


さあ今感じる夜の歌を

目を閉じて 暗い夢に耽れば忘れるだろう

過ぎ去ったすべての思い出を

目を閉じて 魂を羽ばたかせよ

新たな世界が手に入るだろう

 

 

 

甘く包み込んでくれる音楽

とりつかれるような誘惑の歌

心をひらいて いま幻想に背けない己を感じてごらん

この暗い光、夜の歌よ

 


望んだすべての夢を手に入れるだろう

新たな世界 また異なる生を

おまえの魂 私が求めたこの瞬間

ついに私のものになる瞬間

 


私を、お前を愛撫する香り

触れてくずれるように朦朧とする心地よさ

夢に酔いしれるように 夢の暗闇のなかで

我が偉大な音楽を敬拝せよ

この偉大な力、夜の歌よ

私の歌を羽ばたかせたまえ

あなたのための夜の歌よ

 


나를,너를 애무하는 향기.

만져 질듯 몽롱한 이 쾌감.

꿈에 취한 듯 꿈의 어둠 속에서.

나의 위대한 음악을 경배해.

이 위대한 힘, 밤의 노래여.

내 노래를 날게 해주오,

그대 위한 밤의 노래여.

 


※最後の部分、조유령はその場で歌詞を変えてくる模様!

내 노래를 날게 해주오

→그대 내 노래의 날개여 など

 

・・・

 

 

 

⭐︎The Music of the Nightの単語集

 


아스라이 はるかに遠く

밤 夜

눈을 뜨다 目を開ける

어둠 暗闇

속에 (〜の)中で

깨어나다 目覚める

환영 幻影

 


사라지다 消える

〜가다 〜になっていく

긴장 緊張

다가오다 近づいてくる

은밀함 隠密さ、密やかさ

은밀(하다) 隠密(である)

부드럽게 やわらかく

펼치다 広がる

날개 翼

 


잡히다 捕えられる

〜ㄹ 듯이 〜するように

가녀이다 か弱い

떨림 震え

 


이젠 =이제는 今(は)

잊다 忘れる

〜보다 〜してみる

낮 昼、昼間

현란(하다) 絢爛(である)

빛 光

 


더 이상 もうこれ以上

기억(하다) 記憶(する)

자 さあ(〜しよう)

느끼다 感じる

노래 歌

 


눈을 감다 目を閉じる

꿈 夢

빠지다 はまる、沈みこむ

〜면 〜すれば

〜(으)리 〜するだろう

지나다 過ぎる

모든 全ての

〜들 〜たち

영혼 霊魂

날다 とぶ

〜게 (動詞を副詞化する)〜く、〜ようにして

새롭다 新しい

세상 世の中、世間、世界

갖다 手にする、持つ

되다 〜になる

테니 〜するから

 


달콤하다 甘い

감싸다 つつむ、覆い隠す、庇う

〜주다 〜してくれる、してあげる

음악 音楽

들리다 憑かれる

〜듯 〜するような

유혹(하다) 誘惑(する)

노래 歌

마음 心

열다 開く

〜고서(…) 〜してそれから…

지금 今

〜을 위해 〜のために

결코(+否定) 決して〜ない

거역하다 意に背く

못하다 〜できない

 


원하다 求める

꿈 夢

또 また、再び

다른〜 ほかの〜

삷 生、人生

순간 瞬間

마침내 ついに、とうとう

것 もの、こと

 


애무(하다) 愛撫(する)

향기 良いにおい、香気

만지다 さわる

지다 散る、消える、落ちる

몽롱(하다) 朦朧(とする)

쾌감 快感

취하다 酔う

〜에 취라다 〜に酔い痴れる

위대(하다) 偉大(である)

경배(하다) 敬拝(する)

힘 力

그대 あなた