感動を記録する

チグミスンガン、チョスンウ ssi に夢中

오페라의 유령 歌詞対訳・The Phantom of the Opera

 

오페라의 유령 (オペラ座の怪人)観てきました

 
その勢いで "The Phantom of the Opera"を訳してみました。
チョファントム(조유령)がこの曲にのって黒いハットを取って投げ、マントを脱いでバッと投げ、そして、おもむろに両手を持ちあげて、髪をグッと撫でつけるようにこめかみのあたりをたどっていく、あの振り付けがたまりません。脳裏から離れず、思い出しては15分に1回ぐらいのペースで悶絶している。
ドリームシアターの怪人になって、いつもその場面を見ていたい。
これから釜山へ、さらにソウルへ飛んでいく皆様のお役に立てば幸いです。
※歌詞は2009年版。今現在上演中のものとは変わっている部分がありますので、ご了承ください。
※訳の間違いなど、お気づきのところがあればお声がけ頂けたら助かります。
 

 

(歌詞)The Phantom of the Opera

(※歌詞は2009 Korean cast OSTから。2023公演では歌詞が変わっている場合があります)

 

CHRISTINE:
꿈결에 다가온 노래 소리
날 불러들이는 그 목소리
눈앞에 펼쳐진 그의 환상
The Phantom of the Opera
이젠, 내 맘 속에
 
PHANTOM:
나 함께 부르는 이 노래에
거대한 전율이 널 감싸네
피할 순 없으리, 이 운명을
The Phantom of the Opera
이젠, 네 맘 속에
 
CHRISTINE:
두려움 떨치고, 난 해내길. 가면 속 당신 꿈
 
PHANTOM:
내 노래를
 
(Together)
PHANTOM : 내 영혼,네 노래 하나 될 때
CHRISTINE: 네 영혼,내 노래 하나 될 때
 
(Together)
PHANTOM :
The Phantom of the Opera 이젠, 네 맘 속에
CHRISTINE:
The Phantom of the Opera 이젠, 내 맘
 
CHORUS:
여기 The Phantom of the Opera.
여기 The Phantom of the Opera.
 
PHANTOM:
그 모든 환상을 난 주었지. 그 모든 비밀을
 
CHRISTINE:
내게 줬죠.
 
PHANTOM :
어둔 밤 미로를 헤맬 때 도
The Phantom of the Opera
이젠, 네 맘 속에,
 
CHRISTINE:
어둔 밤 미로를 헤맬 때 도
The Phantom of the Opera
이젠, 내 맘 속에,
 
PHANTOM:
노래를, 나의 음악의 천사
 
CHRISTINE:
여기 The Phantom of the Opera.
 
PHANTOM:
노래를 !
 
CHRISTINE:
Ah—
 
 
***

 

(訳)The Phantom of the Opera


 
CHRISTINE:
夢うつつの中 近づく歌声
私を引き寄せるその声
目の前に広がる幻
The Phantom of the Opera
今 私の中に
 
PHANTOM:
私が共に歌うこの歌
抗えない戦慄がお前を包む
逃れられない、この運命から
The Phantom of the Opera
今 お前の中に
 
CHRISTINE:
恐れを振り払って、私がやりとげられるように
仮面の中のあなたの夢
 
PHANTOM:
私の歌を
 
(Together)
PHANTOM :
私の魂がお前の歌とひとつになる時
CHRISTINE:
あなたの魂と私の歌がひとつになる時
 
(Together)
PHANTOM :
The Phantom of the Opera いまお前の中に
CHRISTINE:
The Phantom of the Opera いま私の中に
 
CHORUS:
ここに、The Phantom of the Opera.
ここに、The Phantom of the Opera.
 
 
PHANTOM:
そのすべての幻想を私は与えた
そのすべての秘密を
 
CHRISTINE:
私にくれたのよ
 
PHANTOM :
暗い夜の迷路を彷徨う時も
The Phantom of the Opera
今 お前の中に
 
CHRISTINE:
暗い夜の迷路を彷徨う時も
The Phantom of the Opera
今 私の中に
 
PHANTOM:
歌を、わが音楽の天使
 
CHRISTINE:
ここに、The Phantom of the Opera.
 
PHANTOM:
歌を !
 
CHRISTINE:
Ah—

  ***

 

⭐︎The Phantom of the Opera の単語集


 
・꿈결에 夢うつつで
・다가오다 近づいてくる
・노래 歌
・소리 音、声
・날 =나를 私を
・불러들이다 呼び寄せる
・그 その
・〜의 〜の
・목소리 声
 
・눈 目
・〜앞에 〜の前に
・펼쳐지다 広がる
・환상 幻想
・이젠=이제는 今(は)
・ 내=나의 私の
・맘=마음 心
・속 内側、中
 
・함께 〜と共に
・부르다 歌う
・거대(하다) 巨大(である)
・전율 戦慄
・감싸다 つつむ、覆う
・피하다 避ける
・〜ㄹ 수 없다 〜できない
・운명 運命
・네=너의 おまえの
 
・두려움 恐れ、恐怖
・두렵다 恐れる
・떨치다 振り払う、取り去る
・난=나는 私は
・해내다 やりぬく
・〜길=〜기를 〜することを
・가면 仮面
・당신 あなた
・꿈 夢
 
・영혼 霊魂
・하나 ひとつ
・되다 〜になる
・〜ㄹ 때 〜する時
 
・여기 ここ
 
・모든 すべての
・환상 幻想
・주다 〜してあげる、〜してくれる
・주었다 주다の過去形
・비밀 秘密
・〜죠=〜지요 〜でしょう?(念押し、同意を求める)
 
・어둔=어두운 暗い〜(어둡다の連体形)
・어둡다 暗い
・밤 夜
・미로 迷路
・헤매다 迷う
・〜도 〜も
 
・음악 音楽
・천사 天使

 

コメント


韓国語歌詞の、韻の踏み方が素敵ですね。
サビで、
The Phantom of the Opera のあと、
原曲の is there に対して 이젠 を当てて音の対照をとっているのも面白い。
ちなみにここは、日本語歌詞だと「今」になり、平板な音色ですが、韓国語歌詞だと発音は「idʒen 」となり、独特のリズムを生み出しています。
この曲に限らず、韓国語の、母音とパッチムとの組み合わせで多彩な音色とアクセント、リズムを表現することができる点、それが独特のグルーブを生み、より強い感情表現につながっている点が、とても好きな所です。

「モーツァルト!」配信3DAYS、感想

 

知らせは突然に

 

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「!?」

 

その夜、韓ミュに飢えた全てのファンたちに電撃が走った(はず)。

 

これって・・・?

今の状況(※コロナ禍)からして、配信・・・

タイミング、演目、日本ウケから考え合わせると、新録なら、もしや、

モ・・・

いや待て待て待て余談は禁物だよ(※心理防衛しぐさ)

 

そして迎えた、発表当日。

 

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アアーーーーーーーーーー!!!(言葉にならない叫び)

 

まさか、諦めていた「モーツァルト!」を、日本にいながらにして観られるとは!!!

いとしの「推し」ウンテ神、ついにドラキュラを観られなかったジュンス、そして、期待値MAXのパクガンヒョン!!

もはや、韓流ぴあミュージカル様に足を向けては眠れない。

ありがとう。ありがとう・・・!!!

 

夏が、始まるよ…!!!

 

 

 

マチネとソワレと3チャルト

 

PIA LIVE STREAM と UPにて、

マチ・ソワ・マチ・ソワ・ソワ の、3日間5公演。

本当に、素晴らしかったです。

 

初めての、WEB配信での韓ミュ視聴、

身に染みたのは、日本語字幕のありがたさ!

自分は「モーツァルト!」という演目自体が初鑑賞だったので、日本語字幕が本当に助けになりました。

視聴環境の部分では、

UPは映像の解像度がおおむね、間引いた画質になってしまい。可愛いガンヒョニの顔が福笑いのようになって涙をさそったりもしましたが。

PIA LIVE STREAMは終始ハイビジョンの安定供給で、全画面表示でも画質とアスペクト比が崩れず。かなり満足度の高い視聴ができました。

 

 

さて、初めての「モーツァルト!」、

なんといっても、曲が、かっこいい!!!

さすがクンツェ&リーバイの、優美かつ陰鬱なメロディライン。「影を逃れて」のサビは、一度聞いただけで脳裏に焼き付き、一瞬で心を奪われる。(数日間、不意に「オットケ〜」っと口ずさんでしまう病に罹患)(家族の皆さん、ごめんなさい)

 

舞台装置、衣装、すべてがゴージャスで、演出もかっこよかった。

とくに、クライマックスの「モーツァルト!モーツァルト!」は、

歌唱、歌詞の内容、譜面を撒き散らす演出が相まって、なんとも言えない昂揚感。ヴォルフガングとアマデが「最期」に向かって作曲を続ける中、舞台全体を、貴族の男女の装束に身を包んだアンサンブルが埋め、譜面を撒き散らしながらモーツァルトの功績を称える。ヴァルトシュテッテン男爵夫人が舞台を歩みながらソロ歌唱をかぶせ、一人の天才の物語を歴史の中に位置づけていく。その重層的な表現の仕方、見せ方がとても面白くて、作品の中で一、二を争う、大好きな場面です。

ヴァルトシュテッテン男爵夫人を演じたふたりのレジェンド シン・ヨンスクさん、キム・ソヒャンさんの歌唱が、それぞれ、本当に素晴らしかった。黄金星はもちろんですが、この「モーツァルト!モーツァルト!」での男爵夫人のソロも、さすが。

シン・ヨンスクさんは厳粛に力強く。キム・ソヒャンさんは慈悲をたたえて祈るように。「歌」の表現力で物語をつづる韓国ミュージカルの魅力を、余すところなく体感させてくれるパフォーマンスでした。

 

そして、最高の俳優陣による、三者三様のヴォルフガング。本当に、素晴らしかった。

それぞれの個性と表現力が凄すぎるから、同じ演目でも、まるで違う作品を観ているかのように楽しい。

たとえば、父レオポルトとの決裂の直後の曲、「なぜ愛せないの」の中で、ヴォルフガングが「どうしてもわからない、なぜ父が去ったのか…」と歌う場面。

「あなたは、本当は分かっているんだよね?」と思わせるシャチャルト。

あらゆる問いかけを越えて、ただ、瀑布の如き涙を流させるウンチャルト。

「ああ、彼は、本当に分からないんだろうな…」と納得させるガンチャルト。

トリプルキャストの醍醐味を、思い切り味わうことができました。

 

 

シャチャルト こと キム・ジュンス(김준수)

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1986年生。2010年「モーツァルト!」で初めてヴォルフガング役を演じ、2011年にも主演。そして2020年「モーツァルト!」10周年記念公演、万感の思いを込めてその舞台に立つ。さすがのレジェンド、キム・ジュンス。圧巻のステージだった。

 

ジュンスのヴォルフガングは、真摯。ひたむき。ものすごくまじめ。

自分の心に正直に、もっと自由に音楽を追求したいと行動するも、権力者からの様々な妨害にさらされ、苦悩するーー劇中の様々な要素が、ジュンスその人と重なって、すごく、グッとくる。

生まれついた場所、その環境から逃れて、自分の求める場所、自分の求める自分へ変わっていくことが、いかに難しいことか。ずっとそのことを考えさせられ、その思いと重なって聴く「影を逃れて」は、いっそう切実に胸に響く。

 

感情のアップダウンをそのままに見せる、良い意味で等身大の作りこみ。人物の輪郭を大きく見せようとせず、ジュンス自身が軸となって、求心力をもって観るものを引き込んでくる。

これが苦しみ、これが悲しみ、これが恐怖、というように感情のありさまをそこに描き出して見せ、物凄い汗は、実際にその体の中で、ヴォルフガングの人生と感情とが躍動している様を感じさせた。

 

ラストはもっとも悲痛。

「影を逃れて」で再登場するところは、いま、まさに絶命の直後、ひとり煉獄をさまよっているかのよう。

「運命から逃れたい!」と絶唱する目の前で、父レオポルトとアマデが互いに放たれた矢のように駆け寄り、抱き合うラストは、一瞬、何が起こったのかわからなかった。

 

長い戦いが終わった、死によって救われた…と思ったのに、

ヴォルフガングとアマデは、最期、ようやく融合したと思ったのに、

正直、「ここ、感動していいの…?」と戸惑うほどの…

「運命から逃れたい!」という叫びと、アマデと父の抱擁の光景との組み合わせにゾッとしてしまうほどの、壮絶なエンドだった。迫真のシャチャルト。次の日まで、ゆううつ。

 

 

 

ガンチャルト こと パク・ガンヒョン(박강현)

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1989年生。デビュー6年目にして出演作多数。「モーツァルト!」10周年記念公演で初のヴォルフガング役にキャスティング。早くも次期作「大彗星」が決定している。

 

 

 

光。まさに、神に愛された天才そのもの。

彼がステージに現れた瞬間、「まいりました」という感じ。フワーッ、と、こちらの胸の奥が明るくなる。

 

なんといっても、歌唱が本当に素晴らしい。声が明るく軽やかで、歌詞の一音一音の発音がクリア。ゆえに、いっそう言葉が軽やかにメロディーに乗る。歌が輝いているみたいだ。

「僕こそ音楽」「影を逃れて」まさに天上の調べ。

彼の声・歌い方と、演目がものすごく合っていて、JCSコンでのユダ役「Heaven on their mind」で見えた、ハードロックとりわけシャウトがどうにも歌いにくそうな様子は、微塵も感じられず。

本領発揮の「はまり役」、ただただ素晴らしかった。

 

 

ナチュラル・ボーン・光 のガンチャルトは、

間違いなく、もっとも「ヤバい」モーツァルト。この世の地面を踏んで生きていない。

もっとも常識が無く、破茶滅茶で、失言や暴言も本当に自覚なくツルッと言ってしまいそう。

享楽的で誘惑に弱い様子も、説得力がある。

 

どんなにボロボロになっても、その光を失わないガンチャルト。第二幕に深まる人生の陰影も、天才の光と影というより、光の色合いの変転を感じさせる。

光でありながら光のままに崩れ、壊れ、滅んでしまうーー舞台上のガンチャルトの輝きが、「早すぎた天才」の夭折をそのまま体現していて、悲しいストーリーなのに、不思議なカタルシスさえあった。

 

できればガンチャルトも2回鑑賞したかったものの、最終日は配信時間が重なっていて、苦悩の末、ウンチャルトをマッコンに選択。。。そこには、「ガンチャルトには、次、また必ず会うことができるだろう」という確信もあって。舞台の上のガンチャルトを直接観ることができる日を心待ちにしています。

(そしてジキル&ハイドにも出てください。ガンヒョニのチグミスンガン、ぜったい、号泣必至)

 

 

 

ウンチャルト こと パク・ウンテ(박은태)

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1981年生。2010年、「モーツァルト!」主演俳優の負傷により、急遽ヴォルフガング役に抜擢。以来、2011年・2012年・2014年公演にて主演をつとめ、そして2020年「モーツァルト!」10周年記念公演で6年ぶり5回目の登板。ジュンスと同じく、まさに、レジェンドの帰還。

 

さすがのウンテ神、39歳、円熟のヴォルフガング役。最高。

 

若さと活力に満ちた第一幕から、一転、第二幕、生活に消耗していくヴォルフガングの「枯れ」「疲れ」の見せ方がすばらしい。しかも、持ち前の熱量を減らすことなく「疲弊」を表現してくるので、観る側も、どうしようもないほど揺さぶられる。ヴォルフガングが何を思い、どう苦悩して、最期の瞬間まで作曲を続けていったのか。第二幕の限られたランタイムの中で、何年にも及ぶ長い時の流れを感じさせる。

 

そして、パッションと知性を併せ持つウンテ神、演技プランの作り込みが非常に、論理的。ウンテさんが演じると、役柄の感情がものすごく「伝わってくる」。パカーン!!と光の矢が雲を抜けるように伝わってくる感情。その熱量、色彩が、ものすごい。

そして、その積み上げが、満を持して最終盤に爆発する。

 

ウンテさんのヴォルフガングを観るうちに、自分の中に、形をなしてくる思索ーーこのヴォルフガングは、「未知」に立ち向かっているのだとーーまだ誰も知らない価値、まだ誰も形にしていない音楽を生み出すために、未知に挑み続けた人間の姿なのだと、絶え間なく、打ち寄せる波のように考えさせられていた。

 

何が「正しい」のかなんて、本当は、誰にもわからない。

 

過酷な18世紀末、庶民にとって、権力者と社会秩序に服従しなければ、生存など望みようの無い時代。

特権階級の身分や、経済的基盤がなければ、権力者の庇護を得て生きていくしかない。

その社会構造の中で、父・レオポルトの愛とは、自分が築いた宮廷音楽家の地盤を息子に与え、そこから零れ落ちることなく、一生を全うさせること。

その考え方が間違っているとは言えない。しかし、その「いま」の基準の中に居るゆえに、父レオポルトは、ヴォルフガングの、時代をも越える才能を真に理解することができない。

 

父レオポルトの言うとおりに、コロレド大司教に雇われていれば、ヴォルフガングとモーツァルト家の人生は安泰だったはず。

でも、その「幸せな」道を選んでいたら、ヴォルフガングは、時代を越えた「天才」として、偉業を成し遂げることはなかっただろう。

 

ヴォルフガングは、父レオポルトやコロレド大司教が体現する秩序の「外」に出て、世界中でまだ誰にも定義づけられていない新しい価値に、音楽という形を与えようとする。彼の頭の中にだけ存在する地図を手繰り寄せて。

 

来るべき19世紀に向けて、貴族や権力者の装飾品では無い、人間存在のための音楽を作ろうとするヴォルフガング。

その生を、コロレドは徹底的に否定する。

それは「堕落」であり、「楽な道」「間違った道」であると。

でも、それは、本当にそうなのか。

なにが「楽」で、なにが「間違った道」なのか。

未来から現在への答え合わせができない以上、その答えは誰にもわからない。

ヴォルフガングの歩むまだ名前のない道こそ、過酷な道と言えるのではないのか。

 

その創造と引き換えに、次々にかけがえのない人たちを失っていくヴォルフガング。

そして、そうであるにもかかわらず、ヴォルフガングは、コロレドとの最後の対立の場面で、自らの音楽への圧倒的な誇りと、強靭な魂とを見せつける。

 

ソン・ジュノさん演じるコロレド大司教との圧倒的な対立の場面、「楽な道はいつも間違った道」。

圧巻のこの場面で、これまでに積み上げられた諸々の要素が一気に押し寄せてきて、わたしの感情と涙腺が決壊してしまった。

 

あまりにもヴォルフガングが眩しく、強く、そして、彼が失ったすべてのものが、あまりにもやるせなくて。

感動して、泣きすぎて、人としての体裁を取り戻せないまま、終幕ーー

カーテンコールが終わっても、しばらくの間、立ち上がれなかった。

 

ウンテさんの「モーツァルト!」集大成を観ることができて、本当によかった。幸せだった。

アマデとの最期のやりとりには、慈愛があって、役柄と共に歳を重ねたからこそ出せる奥行きも感じた。

 

第一幕クライマックスの「影を逃れて」も素晴らしかった。

あんなに悲しい「ピリョオプソ」(影を逃れての歌い出し)なんて、聞いたことがない。呟くような、絞り出すような歌い方が涙を誘爆させる。

そして、ウンテ神必殺のハイトーンビームと大ジャンプ、暗転!!!

ウンテさんの、一幕暗転前のハイトーンで瞬殺されるのが大好きで(語弊)、暗転ならぬウンテンと呼んでしまいたいぐらい好き。

8ヶ月ぶりのハイトーンを浴びた瞬間、「生きててよかった」と全力で思った。

 

ウンテさんの最新作「キンキーブーツ」。ものすごく観たいのに、観にいけないことがつらい。

コロナ禍で公演が苦労を強いられている様子がもれ伝わってきてすごく切ないですが、心から、公演の無事をお祈りしています。

ウンテさんのローラ、きっと、観ることができますように。

韓流ぴあミュージカル様。キンキーブーツ配信、何卒、宜しくお願いいたします。

 

 

 

ありがとう、「モーツァルト!」

思いがけず訪れた、最高の3日間。

韓国ミュージカルがやっぱり大好き、と、心から思いました。

1日も早く、現地の劇場で、大切な人たちに再会したい。新しいときめきに出会いたい。

 

韓国・ソウルでの「モーツァルト!」10周年記念公演は、コロナ禍の影響で終演日を3日繰り上げながらも、無事、閉幕。関係する全ての方々の御苦労と、頑張りに、心から拍手を送りたいです。

「モーツァルト!」本当にありがとう。

また会う日まで!!!

 

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スウィーニー歌対訳_#16 Pretty Woman

ミュージカル「Sweeney Todd」のナンバー、
"Pretty Woman"を訳してみました。

・展開と場面

第一幕のクライマックスへと向かっていく場面の導入部。

ジョアンナとの結婚を(勝手に)決意したターピン判事は、 なぜか気が進まない様子の(当たり前!!)ジョアンナのことをビードル・バムフォードに話します。
ビードルは、「敏感なご婦人方」の心をつかむため、少し身なりをサッパリとされては?と提案。
そして、おすすめの理髪師として、「スウィーニートッド」の名前を挙げるのでした。

自分が陥れた相手とも知らず、トッドの理髪店にやってくるターピン判事。
トッドは、千載一遇の機会にまみえ、欣喜雀躍するのですが・・・

 

・見どころ、聴きどころ

なんといっても、トッドとターピン判事の「歌での掛け合い」が聴きどころ。
何も事情を知らないターピン判事。一方、判事に思惑を悟られぬようにしながら、今まさに復讐を果たさんとするスウィーニートッド。
美しい歌と音楽の中に、緊張とスリルが混じり合う。その面白さがクセになる一曲。

 

・対訳

#16 Pretty Woman (Part1〜Part2)
Music & Lyrics:Stephen Sondheim
Korean Lyrics:김수빈
(OD COMPANY 2019.10.2-2020.1.27)

【터핀 판사】
한 여인을 향한 뜨거운
주체할 수 없다네
머리엔 기름 좀 바르고
어떻게든 매력 넘치게
유혹의 향수도 필요해
일단 면도를 해줘
【ターピン判事】
ある女性への燃える情熱を
持て余していてね
頭に油を少し塗って
なんとかして魅力を溢れさせて
誘惑の香りも必要だ
ひとまず顔剃りを頼む
【토드】
바짝 깎아 드리죠
【トッド】
きりっと剃ってさしあげましょう
【판사】(※歌う)
범 범 범 범 범 범
바다 덤 범 범
【判事】
Bom Bom Bom Bom Bom Bom
Ba Da Dom Bom Bom …
【토드】
무척 설레는 맘이
저에게도 전해져요
【トッド】
とてもうきうきしたお気持ちが
私にも伝わってきます
【판사】
그래,사랑의 불꽃
여전히 피를 끓게
가슴 터지게 해
【判事】
そうだ 愛の火花
今も血が沸き立ち
胸がはりさけそうだ
【토드】
대체 뭘 더 바라나
【トッド】
お望みのものは何です?
【판사】
뭘 더 바래 사랑보다 ?
【判事】
望むものーー愛に加えて?
【토드】
사랑보단
【トッド】
愛に加えて
【판사】
뭔가 ?
【判事】
何を?
【토드】
여자
【トッド】
女性
【판사】
그래,여자
【判事】
そう、女性
【토드】
예쁜 여자
【토드】
美しい女性
【판사】
범 범 범 범 범 범
바다 덤 범 범
【判事】
Bom Bom Bom Bom Bom Bom
Ba Da Dom Bom Bom …
【토드】
나의 친구 이제 눈 떠 봐
즐겨 천천히
미치도록 원했잖아
【トッド】
我が友よ いま瞳を開け
楽しんでゆっくりと
気が狂うほど望んできただろう?
【판사】
결혼을 하게 되면 한 턱 쏘겠네
【判事】
結婚が成ったら宴に招こう
【토드】
좋죠 결혼할 분이
누구라고 하셨죠 ?
【トッド】
喜んで。結婚のお相手は
どちら様で?
【판사】
내 딸
【判事】
我が娘
【토드】
아름다운 아가씨들
고결하고 예뻐
수줍은 듯 춤을 추며
미소 짓네
신비로운 눈동자
창 밖을 볼 때
세상이 다 밝아져
달빛 아래
【トッド】
美しい娘たち
汚れなく 美しく
はにかむように舞い
微笑む
神秘的な瞳
窓辺の姿
なんとまばゆいのか
月の光のもとで
【판사】
매혹적인
【判事】
魅力的な人
【토드】
머릴 빗는
【トッド】
髪をとかす
【판사】
몸짓
【判事】
身振り
【토드】
그 모습이
【トッド】
その姿は
【판사】
영원토록
【判事】
永遠のように
【토드】
아름다운
【トッド】
美しい
【같이】
아가씨들
【一緒に】
娘たち

(※トッドと判事の歌が重なり合う)

【토드】 トッド
봄날 같은
숨결과
부드러운 손

어느 순간
꿈처럼
나의 맘에

고운 자태
거울 앞에

편질 쓰고
산책 할 때


春の陽射しのような
息づかい そして
やわらかな手

  どの瞬間も
夢のように
私の心に

その

美しい姿
鏡の前の
手紙を書き
そぞろ歩く
【판사】 判事
봄날 같은
숨결
부드럽게 손짓하네

어느 순간
사라진대도
꿈결처럼
나의 맘에
내 안에
언제나

고운 자태
풍경 속에
꽃을 안고

春の陽射しのような
息づかい
やわらかな手の動き

  どの瞬間も
消え去るままに
夢のあわいのように
私の心に
私の中に
いつでも

美しい姿
風景の中で
花を抱いて
【같이】
내 맘이 노래해
천사보다
경이로워
【一緒に】
我が心よ歌え
天使よりも
高らかに

(※再び、トッドと判事の歌が重なり合う)

【토드】 トッド
아름다운 그
아가씨들 세상
아름다운 그런
아가씨들



美しい その
娘たち なんという
美しい その
娘たち
【판사】 判事
아름다운 그
아가씨들 그래
아름다운 그
아가씨들
아름다운 그
아가씨들

美しい その
娘たち そうとも
美しい その
娘たち
美しい その
娘たち

アンソニーが突然トッドの店に駆け込んでくる ・안소니 :조안날 찾았죠 우린 결혼을 약속했어요…
 アンソニー:ジョアンナに会いました、僕たち、結婚を約束しました…

スウィーニー歌対訳_#01 The Ballad of Sweeney Todd

ソウルはシャルロッテシアターで絶賛上演中、
「スウィーニートッド」のミュージカルナンバーを訳してみました。
大好きなオープニング曲!!
歌詞は、MDの「ミニプログラムブック」から。


#01 The Ballad of Sweeney Todd
・Music & Lyrics:Stephen Sondheim
・Korean Lyrics:김수빈

【남자】
 들어는 봤나 스위니 토드
 창백한 얼굴의 한 남자
 시퍼런 칼날을 쳐들면
 그 누구도 살아남지 못했네
 뭐였을까 그의 정체
 바로 스위니 토드
 이발사 탈을 쓴 악마

【男】
 聞いたことがあるか? スウィーニートッド
 青ざめた肌のあの男
 光る刃(やいば)をかざしたら
 誰も生きては帰れない
 何だったのか その正体は
 それはまさにスウィーニートッド
 理髪師の仮面をつけた悪魔

【또 다른 남자】
 런던의 조그만 가게
 고상한 손님만 받았데
 올 때는 멀쩡히 왔어도
 갈 땐 아주 저 세상까지 갔네
 그랬지
 그 스위니 토드
 이발사 탈을 쓴 악마


【また別の男】
 ロンドンの小さな店
 高尚な客だけを迎えて
 来る時は無傷のお客様
 お帰りは 永遠(とわ)にあの世まで
 そうさ
 それはスウィーニートッド
 理髪師の仮面をつけた悪魔

【컴파니】
 칼을 들어라, 스위니
 저 하늘 높이
 타락한 죄인의 피를 흘려라


【カンパニー】
 刃(やいば)を取れ スウィーニー
 あの空へ 高く
 堕落した罪人の血を流せ

【토비아스】
 가진 건 별로 없었지

【トビアス
 持ち物は多くはなくて

【남자】
 묵직한 의자와 면도칼


【男】
 頑丈な椅子とカミソリと

【또 다른 남자】
 거품이 담겨진 컵 하나


【また別の男】
 シャボンをたてるコップがひとつ

【테너 추가】
 또 수건과 숫돌과 세숫대야


【テナー追加】
 それに手ぬぐいと砥石と洗面器

【여자 두명】
 성격도 깔끔했니봐
 그 스위니 토드

【女2名】
 性格もさっぱりとして見える
 それがスウィーニートッド

【컴파니】
 이발사 탈을 쓴 악마


【カンパニー】
 理髪師の仮面をつけた悪魔

【여자들】
 눈에 띄지도 않았지
 날쌘 손길에 놀랐지
 가면 속의
 미소 뒤에
 기묘한 노래를 흥얼댔네
 기계처럼 정확했지
 한치 오차도 없었지

【女たち】
 見えないほどに
 速い手つきに驚けば
 仮面の中で 微笑の裏で
 奇妙な歌を口ずさんでる
 機械のように正確で
 ほんの少しの狂いもない

【테너/바리톤/베이스/알토/소프라노】

 번뜩이는 강렬한 눈빛
 싸늘한 숨결 오싹했지

 눈에 띄지도 않았지
 날쌘 손길은
 (날쌘 손길에) 놀랐지

 기계처럼
 정확했지

 그 스위니
 스위니 스위니

【テナー/バリトン/ベース/アルト/ソプラノ】
 ※各パートの歌詞を重唱

 ぎらりと強い目の光
 冷たい息にゾッとする

 見えないほどに
 速い手つきに驚けば

 機械のように正確で
 ほんの少しの狂いもない

 それはスウィーニー
 スウィーニー スウィーニー

【컴파니】
 스위니 스위니
 스위----니 !

【カンパニー】
 スウィーニー スウィーニー
 スウィーーーー ニーーーー!

(토드) (トッド)
들어는 봤나 스위니 토드


聞いたことがあるか? スウィーニートッド

【컴파니】
들어는 봤나 스위니 토드

【カンパニー】
 聞いたことがあるか? スウィーニートッド

【토드】
 복수에 불타던 이발사


【トッド】
 復讐に燃えた理髪師

【컴파니】
 복수에 불타던 이발사

【カンパニー】
 復讐に燃えた理髪師

【토드】
 궁금하면 잘 지켜봐
 여기서 다 말하면 재미 없어
 안 되지

【トッド】
 聞きたいだろうが 全くうんざりしてるんだ
 話してもまるで面白くない
 そうだろ

【토드 & 컴파니】
 나 (그) 스위니 토드
 이발사 탈을 쓴 악마

【トッド & カンパニー】
 俺は(それは)スウィーニートッド
 理髪師の仮面をつけた悪魔

 

ジキハイ歌対訳: 나 도 몰랐던 나 ( Dangerous game )

 

 

 

 

台本に続いて、ミュージカルナンバーを少しずつ勉強しています。

 

その第一弾は ”デンジャラスゲーム”

完全に、管理人の趣味と実用性(この歌だけは分かりたい・・・!というリビドー)によるチョイスです。

 

曲について:

ブロードウェイでは”Dangerous game”、日本では「罪な遊戯」ですが、

韓国版は「나 도 몰랐던 나(自分でも知らなかった自分)」としており、

タイトル、歌詞共に、もう一段階解釈を深めている点が面白いと感じます。

また、ルーシーとハイドが二人で歌うことにより、

「自分でも知らなかった『自分』」がこの二人を同時に指し示すため、二人の関係のあり方を表現すると共に、特に、ハイドというキャラクターの人物描写に大きな効果を出していると感じます。

この曲を訳してみるまで、デンジャラスゲームは籠絡されていくルーシーの歌だと思っていましたが、訳してみると、思った以上にハイドの歌でもあって、なんだかハイドがいじらしく思えました・・・

 

 

対訳について:

韓国語の詞と日本語の意味を対応させて把握し、またそれが伝わるようにシェアしたい・・・という意図から、「日本語の意味をルビでふる」形をとってみました。

語学力の拙い点はご寛恕いただき、間違い等はご指摘いただければ幸いです。

なお、ここに至るまでに、こちらのブログを拝見し、大変勉強させていただきました。参考元として記し、感謝申し上げます。

テヤンさん 「ソウルの夜明け前」

ameblo.jp

 

 

対訳:

 

・歌詞:OST 2004版

・日本語:管理人調べ

 

 

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意訳:

 

 

ルーシー:

肩先をかすめる指先

肌が鳥肌立つ

その人は私のすべてを知っている

私だけの 内に秘めた秘密を

その人の手のままに私は熱くなり

しきりに息苦しくなって

その一息のうちに私は降参させられ
まるで跡形も無くなる

 

ハイド:

思いわずらうな

 

(ルーシー:

 私を捕らえないで)

 

ハイド:

お前の欲するままに

 

ハイド・ルーシー:

自分さえ知らなかった自分

 

ハイド:

考えるよりも体がよく知っている

拒むな お前の望むことを

 

ルーシー:

死よりも凶暴な誘惑

 

ハイド:

何者もお前を止められはしない

避けられない 逃げられない

お前は欲望を受け入れる

 

ルーシー:

避けられない 逃げられない

あなたが欲望を刺激する

私を誘惑しないで

 

ハイド:

俺にあらがうな

 

ルーシー:

私は今どこに

 

ハイド・ルーシー:

自分さえ知らなかった自分

ゆっくりと 奥深く また違う自分に出会い

わからない 自分でさえ

隠された自分に出会う

その手の触れるままに

その息づかいのままに

魅入られたように引き寄せられて

その意のままに 導かれるままに

迷路をさまよっている

 

ルーシー:

避けられない 抜け出せない

 

ハイド:

お前が望んだこと

 

ルーシー:

私は今どこに

 

ハイド・ルーシー:

さまよっている

自分さえ知らなかった、自分

 

 

 

ジキハイ台本(0)はじめに/目次

ジキハイ台本(0)はじめに/目次

 

◯はじめに 

 

このテキストについて

・このテキストは、ミュージカル「ジキル&ハイド」韓国語台本(”NAVER”より。作成者不明)を、翻訳アプリ2種、韓日辞書を用いて訳したものです。著作権を侵犯する意図はなく、作品をより深く理解するため、個人の楽しみとして管理人が翻訳したものです。

・翻訳の手順は、まずアプリ「Lingvanex」で日本語に変換、その後、アプリ「LINE韓国語翻訳」の変換と比較し、より意味が通る訳を選択しました。アプリの訳文を恣意的に変更、修正しており、ニュアンスが取れる、意味が通る、読んで違和感がないという点を優先して語順の変更、言い換え、主語述語の入れ替え等を行ないました。そのため、原文の忠実な翻訳とはいえない点をご了解ください。

・ミュージカルナンバーの歌詞は、「OD company」制作・上演の楽曲とは異なります。(“This is the moment” “dangerous game”などの歌詞から、ブロードウェイ版の英語歌詞を韓国語に直訳的に置き換えたものではないか・・・と推測します )

 

・ミュージカルナンバーのタイトル前に 「〔ナンバー〕」の語句を挿入しました。

・各場面の区分(No.)および柱("Danvers' House"など)は、2018−2019 OD company 制作・上演「ジキル&ハイド」のパンフレットに準拠しました。

 

◯主な登場人物

 

https://en.wikipedia.org/wiki/Jekyll_%26_Hyde_(musical) より)

(テディ、ベッツィー、ルパートに関する補足は管理人による)

 

・ヘンリー・ジキル博士 / エドワード・ハイド( Dr. Henry Jekyll/Edward Hyde)医師

エマ・カルー(Emma Carew )ジキルの婚約者

・ルーシー・ハリス(Lucy Harris)クラブ"The Red Rat"の踊り子

・ジョン・アタスン(John Utterson)ジキルの弁護士、友人

・ダンバース・カルー卿(Sir Danvers Carew )エマの父、理事会の議長

・サイモン・ストライド(Simon Stride)理事会の秘書、エマをめぐるジキルの恋敵

・サベージ伯爵(Lord Savage)理事会の一員(劇中「テディ」とも呼ばれる)

・ベイジングストーク大司教(Bishop of Basingstoke)理事会の一員、裏の顔は偽善者・サディスト・淫蕩(劇中「ルパート」とも呼ばれる)

・ビーコンズフィールド伯爵夫人(Lady Beaconsfield)理事会の一員(劇中「ベッツィー」とも呼ばれる)

・アーチポルド・プループス卿(Sir Archibald Proops)理事会の一員

・グロソップ将軍(General Lord Glossop )理事会の一員、威厳のある退役軍人

・スパイダー(Spider)ヒモ、クラブ"The Red Rat"の所有者

・グィネヴィア(Guinevere)クラブ"The Red Rat."のマネージャー

・プール(Poole)ジキルの忠実な執事長

 

 

〇「台本」目次

ミュージカル「ジキル&ハイド」

Music:Frank Wildhorn

 Lyrics:Frank Wildhorn , Leslie Bricusse , Steve Cuden

 Basis “Strange Case of Dr Jekyll and Mr Hyde”  by Robert Louis Stevenson

         first published in 1886

 

 

第1幕 

Prologue ~ No.1・2

No.3(理事会)

No.4(婚約式)

No.5・6(クラブ「Red Rat」)

No.7・8・9

No.10-1

No.10-2

No.11

 

第2幕

Prologue 〜 No.1

No.2

No.3・4

No.5・6

No.7・8・End

 

 

 

 

ジキハイ台本:第2幕 No.7・8・End

 Index 

  

 

◯ No.7 :(柱なし) 

 

〔ナンバー〕Confrontation

ジキル

暗闇の中で道を失い

沈黙があなたを取り囲んでいますね。

かつては朝もあったのに

今は無限の夜だけ。

 

私は答えを見つけるでしょう。

絶対にあなたを見捨てないでしょう。

誓います。

私が死ぬその......

 

ハイド

俺が本当にいつかはお前をそのまま行かせると思ったか?

俺がお前を自由にすると思ったか?

もしそうなら、それは本当に悲しいことだが -

もちろんそうするつもりはない。

お前は絶対に俺から離れることはできない!

 

(突然二つに分けられた自我がひとつの肉体の中で激しく戦い始める。)

 

ジキル

お前はただ鏡の中に映っているだけの誰かだ!

私が目を閉じればお前は消えてしまう!

 

ハイド

俺はお前が鏡で見ている、まさにその顔だよ!

お前が生きている間、ずっと、俺はここに居続けるだろう!

 

ジキル

お前はただ悪夢の終わりにすぎない!

お前はただ死んでいく悲鳴にすぎない!

今夜が過ぎれば、この恐ろしい夢を終わらせてしまえるだろう -

 

ハイド

これは夢ではない、友人よ -

そして終わらない!

これは永遠に続く悪夢だ!

お前がどう主張しようと、俺はここに確かに存在している。

そして、お前が行ってしまっても、俺はここに生き続けているだろう。

 

ジキル

 

お前はすぐに死ぬ -

その後、私の沈黙がお前を覆い隠すだろう!

お前は選ぶことができない、ただ、制御を失うだけだ!

 

ハイド

お前は俺を制御することができない -

俺はお前のいない深さに存在しているのだから!

毎日、お前は、俺がお前の魂を飲み込むのを感じるはずだ

 

ジキル

私は生き残るためにお前を必要としていないが、

お前は、私を必要としている!

お前の死と踊るとき、私は完全になれるだろう -

お前の最後の息を、私は喜ぶだろう!

 

ハイド

俺はお前の中に永遠に存在するぞ!

 

ジキル

違う!

 

ハイド

俺のそばにいる悪魔と一緒に!

 

ジキル

違う!

 

ハイド

そして、俺は知っている、今は、そう、これからも永遠に -

ジキルはハイドから離れることができないということを!

 

ジキル

もう終わるのが見えないのか?

死ぬ時だ!

 

ハイド

いや、俺ではない!

お前だけ死ぬんだ

 

ジキル

私が死ねば、お前も死ぬ!

 

ハイド

お前が死に、俺と、お前が完成する!

 

ジキル

くそ、ハイド! 私を自由にしてくれ!

 

ハイド

分からないのか? お前は俺だ!

 

ジキル

そうではない! 私の奥深くにお前はいる!

 

ハイド

俺はお前であり

お前はハイドだ!

 

ジキル

違う、絶対に!

 

ハイド

向かい合うのだ、永遠に - !

 

ジキル

くそ、ハイド!

お前のすべての悪行を抱いて地獄で腐り果ててしまえ!

 

ハイド

地獄で会おう、ジキル!

 

ジキル

だめだ、だめだ、だめだ -

絶対に - !!!! 

 

 

◯ 8 : St. Anne’s Church West Minster

 

〔ナンバー〕Facade reprise 4

(舞台後方ルーシーの遺体が運ばれていくのが見える。)

コーラス

玄関口に怪物がいる、

それは悪であり自由だが

我々はそれを中に入れはしない

我々は、見たくないのだ

見せかけのすぐ後ろに何が隠れているのか!

 

人間は一人ではなく、二人であり、

善であり同時に悪でもあり、

自分が通ってきたまっすぐな道を歩くこと、それができれば!

彼はただ待つだけだ...!

 

 

◯End

 

ダンバース卿

ヘンリーは地獄の門を通過しました。その向こうに何があるのかも見ました。

真実を探そうとする努力は無駄であり、ついに、父親を死の闇へと見送ったのでした。

死から戻ってきたジキル博士は、今、結婚式の鐘を聞きながら、新しい出発をしようとしています。

より幸せな人生の次の章の始まりです!

 

(エマとジキルの結婚式場。すべてが平和で穏やかに見える。)

 

賛美歌

愛する神よ、我らの愚かさを許したまえ。

主の御心で、我らを覆い

純粋な生活の中で主の恩恵を探させたまえ。

深い畏敬の念でほめたたえよ、深い畏敬の念でほめたたえよ -

 

主の涙をもって、我らの戦いが終わるとき

傷つき虐げられた魂を御前に集め

我らの生活を悔い改めさせたまえ。

主の平和の美しさよ、主の平和の美しさよ

 

司祭

我々は今、主の前に集まって、この男女の結婚を見守ろうとしています。

この二人の組み合わせに反対する者は、今申し出るか、または永遠に口をつぐみなさい。

誰もありませんか?

次に、アルバート・ジョン・ヘンリー・ジキル、あなたはマーガレット・エマ・カルーを -

 

(急にジキルがよろめく)

 

アタスン

なんだ、どうしたんだ?

 

ジキル

なんということだ、これは?

嫌だ - 神よ、助けてください - この痛みを取り去ってください!

私を満たしている!私を殺している!

主よ、どうか - この戦いに勝つように助けてください - 慈悲を - !

花嫁には見せないでくれ – だめだ、私たちの結婚式だけは。

私たちの結婚式だけはだめだ!

 

(苦しんだジキルが、ついに床に倒れ、恐ろしい沈黙が流れる。しばらくしてストライドが彼に近づき手を差し伸べるが、すでにハイドに変わってしまったジキルが突然彼の首を絞める。)

 

ハイド

名誉書記として議事をよく進行しているようだな!

 

ダンバース卿

ジキル博士!

 

ハイド

ここにヘンリー・ジキルはいない。エドワード・ハイドがいるだけだ!

 

エマ

ヘンリー....?

 

(ハイドはしばらく停滞する。彼女に気づいたのだろうか?しかし、すぐに、彼はエマを暴力的に引き寄せる。)

 

アタスン

ハイド氏!その女性は関係ないから放してくれ。

 

ハイド

エドワード・ハイドに触れる女は皆死ぬ!

 

ダンバース卿

エマ!

 

ハイド

誰もエドワード・ハイドを止めることはできない!

 

エマ

ヘンリー...? あなただと分かります。あなたが私を傷つけないことも...

 

ジキル

....エマ....エマ...?

ああ、こんな...!

式を続けなければならない、さあ! どこまで進んでいた?

 

(腰を折ったジキルが倒れると、アタスンが彼に剣を向ける。)

 

そうだ、アタスン! いっそ私を殺してくれ -

 

アタスン

私には...できない。

 

(しかし、ジキルは彼の剣に身を投げて自ら死を選ぶ。招待客は悲鳴を上げ、エマが駆け付けて、死んでいく彼を胸の中に横たえる。)

 

ジキル

エマ…..

 

エマ

お休みなさい、私の苦悩の愛。

 

あなたは今自由です

今私と一緒にいます

いつまでも….

 

 

 (終)

----------Curtain call----------